平和な生活
1話
「未来がいいものだとわかれば、君は前に進めるのか。現在がいい状況だと分かれば、君は前に進めるのか。過去が良いものだったと分かれば、君は前に進めるのか。どれなんだい。君が前に進めるようになるには、どれが分かれば君は前に進めるんだい?」
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午後2時半
横浜市西区のどこかのアパート
「今日の注目商品は、これ!絶対安眠枕!この枕で眠ると…」
「……」
目が覚めた。
テレビの方から人の声が聞こえる。
どうやらテレビをつけたまま寝てしまったようだ。
今は…2時半か
どうやら昼まで寝てしまったようだ。
………
………
なにをしようとも思わない。
既に2時半ということで今更一日の活動を始めようという気にもならない。
こうやって無駄な一日がぼんやりと過ぎている。
最後に外出したのは…3日前か。
まぁ、ならまだいいか。
スマホを開いてFPSを始める。
正直そこまで面白くない。でも他のことをする気にならない。
食事をするのもなんか面倒だ。
ただこうやって暇つぶしをする。最近はずっとこうだ。
別にニートとかそんなのになったわけじゃない。
大学をさぼって一人家に閉じこもっているだけだ。
とくに趣味なんかない。何もやることがない。
多分時間はある。有り余ってる。
だけど大学にいくのはめんどくさいからいかない。
大学に入って数ヶ月、一人でずっと虚しく講義を受けてるのが辛くて行きたくなくなった。当然友達なんかいない。
もし既に俺が今いる場所が外なら、家には戻らず買い物なりで時間を有効に使うだろう。
もし自分が今いる場所が大学なら、俺は普通に講義にでるだろう。さすがに大学に来たのに講義を受けずに帰ろうとは思わない。
ただ、外に出るのが面倒くさいから俺は外に出ない。
………
うわ、なんでこんなんで死ぬんだ。判定おかしいだろ。
なんかムカついた。別のゲームを始める。
…つまんねー。
こんな一日、つまらねーよ。
…
喉が渇いてきた。
冷蔵庫を開いたが(冷蔵庫まで歩くのも面倒くさい)、中に飲料は何も入ってなった。
「めんどくせー…」
仕方なく俺はお茶を買いに近くのスーパーに行くことを決めた。
数十分して俺は自宅に戻ってきた。
スーパーでお茶だけ買ってすぐ戻るつもりだったが
今度は食べる物がなくなって外に出るとかになるのもだるいのでカップ麺なり洗剤なり大量に買ってきた。
背負ってきたリュックに買ったものを無理やり押し込んでも二つ重いビニール袋が存在しているほどたくさん買った。
…家に戻ったはいいが、せっかく外に出たのだからもう少し出かけてみよう。幸いここは市街地に近いし。
数時間後に俺は再び家に戻ってきた。散歩した後スーパーで買うのを忘れてた正午の蒼茶とか色々買った。これで当分外に出ずに済む。
シャワー浴びてゲームして寝るか…
午前4時
寝床に着く。
なぜかこの時間は漠然とした不安が襲い掛かってくる。
そろそろ大学行かないと留年だよな…
単位どうしよう
でも講義言ったって全然わかんねぇよ
皆合コンして彼女つくってんだろうな…
俺4年後には社会人になってんだよな…
「このままじゃ人生終わるんじゃないのか?」
つい心の奥底に沈めていたものが漏れてきた。
今日はもう寝よう
きっと…
きっと起きたら俺はなにかが変わってるはず
そうだ、こういう時こそ妄想しとこう。
可愛い美少女が本当は俺のことが好きで………
あぁ、体が軽くなってきた。多分もうすぐ寝れる
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午前九時横浜駅付近