自作自演
そこの空間には、老婆が座っている。
老婆は、こちらを見てニッコリと微笑み、こう言った。
「ようこそおいで下さいました。」
「今宵はなすお話は、自作自演というお話です。」
「どうぞ最後までお聴きください。」
パシャパシャ
会見室でなるカメラのシャッター音。
彼は今大勢の記者に囲まれている。
理由は、彼が預言者だからだ。
胡散臭いと思われるかもしれないが実際彼は、これまで三つの時間を当てていた。
空港で起きた墜落事故。
東京の渋谷で起きた過去十年で最大規模の交通事故。
そして、この間起きた新宿での火事。
彼の予言率は、百発百中だった。
一人の記事が、こんな質問をしてきた。
「貴方は、今まで事故の予言をしていましたが、人の未来を予言する事は出来ないのですか。」
「出来ません。私は、不特定多数の人が危険に晒されることしか予言出来ません。それに、事故も、全て予言できるわけではないのです。」
彼は申し訳なさそうにそう答えた。
「他に質問は、ございませんか。」
マイクを持った司会者が、言うとすぐに色々な記者が手を挙げた。
「では真ん中の女性の方。」
「はい、○○○○社の今野です。貴方は、予言を意図的に見ることができないと言いましたが、ならばいつどのようにして、予言をするのですか。」
と女性記者が聞くと、彼は、こう答えた。
「急に頭の中に映像が流れてくるんです。簡単に言えば予知夢のようなものです。」
と、答えた。
しかし誰も知る事は無いであろう実のところ彼は、預言者ではなかった。
彼は念動力者であり、彼の予言した事故は全て彼が念動力で起こしたものであるであることも。
「いかがでしたでしょうか。今回のお話は。」
「自作自演とは、自分が、作ったもの事を自分で演じると言うものでございます。」
「彼結局何になりたかったのでしょか。?」
「念動力の力で世界を救うことだってできたはずです。」
「しかし、なぜ彼は預言者として世界を救ってくれていると皆んなに思い込ませているのでしょうか?。」
「念動力者と言うより、予知能力者だと言った方が皆様から親近感を持ってもらえると思ったらかでしょうか。?」
「それと、ただ単に有名になりたかったのでしょうか。?」
「それは、誰にも分からないことでござます。」
「それでは、また次回のお話でお会いしましょう。」
そういうと老婆は、ロウソクにふーと息をかけ火を消した。