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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕は友達、君が思うのは?

作者: belgdol

 僕には幼馴染が居る。


たまき一緒にお弁当食べましょ」

「じゃあいつも通り部室?」

「えぇー。偶には中庭で食べましょうよ」

「それは僕が恥ずかしい」

「なんで?」

「なんでも」

「変な環」


 くすくすと笑う、ちょっとふくよかな白い肌に黒髪が映えるお嬢様。

それが僕の幼馴染。

小学校から中高一貫のこの学校に入るまでずっと同じクラスで席近く。

そこらへんになにがしかの意思の力を感じなくもないけれど……。


 まあ、僕の家の黒柳の家はお嬢様の家、白柳家に仕える家だから。

いつでもお傍に侍れるようにとか、そういうのだろう。

僕とお嬢様の間はそういう、主従関係とは遠い気がするんだけどね。

どっちかっていうと箱入りで物を知らない妹を見守る兄妹っていう意識が強い。


 でも、やっぱり主従は主従、弁えるべきことは弁えるべき……とは仕込まれたもので。

中庭で二人でランチ、なんてことになると噂になるのが我が校なのだ。

まったくもって度し難い。

でも……。


「ねえ、やっぱり中庭で食べようか」

「あら。急にどうしたの環」

「いや、ほら」

「なあに?」

「桜が、あんまり綺麗だから」


 たまには、噂になってもいいかな。

なんて思ったりもするもので。


「ああ、本当。桜綺麗ね」

「それが目当てで誘ったんじゃないの?」

「環のお陰で気づけたわ」


 うちのちょっとずれたお嬢様と。

僕は今日もお昼を共にする。





 私には幼馴染が居る。


たまき一緒にお弁当食べましょ」

「じゃあいつも通り部室?」

「えぇー。偶には中庭で食べましょうよ」

「それは僕が恥ずかしい」

「なんで?」

「なんでも」

「変な環」


 ちょっとひねた感じの女の子の環。

それが私の幼馴染。

小学校からずっと一緒で私の面倒を見てくれている。


 どうも、環とずっと一緒なのはお父様たちが便宜を図ってくれているからみたい。

それには素直に感謝しなくちゃ、と思っています。


 女の子なのにお兄ちゃんみたいに振舞う環。

だからかしら、僕、なんていうのは。


 従者でも、いえ、だからこそとでもいうように耳の痛い事をいう環。

環は「従者なのかな?友達だよね」っていうんだけど、もしそうなら嬉しい。


 私は、家が主従の関係なのに、自然に友達だからと気を遣ってくれる優しい環が好き。

大好き、環。


 大好きな環と、今日も私はお昼を食べる。

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