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旅路と手紙
深緑生い茂る森の最奥──────。
ひっそりと佇む煉瓦造りの屋敷は、呪いの人形屋敷と呼ばれていた。
あくまで噂でしかないと真実を知るため、とある貴族の青年を乗せた馬車は、目的地であるその場を目指していた。
【親愛なるレイモンド家の皆様へ───
突然ですが僕は自分探しの旅に出ます。
というより人と関わる事に疲れてしまいました。自分も人の子でありながら言っている事は馬鹿な事だと重々承知しています。
どうか我が儘な僕をお許し下さい・・・・。
追伸───探さないでね、ちゃんと帰って来るから!お土産お楽しみに。
愛しの息子フレデリッドより】