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僕はラブコメが書けない  作者: うすかわ焼きそばクリーム大福
第二章 再起を決意した六月、萌え絵アレルギーというヤバイ病を克服する件
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3 玉青の理想

 想大社の社員食堂は朝早くから夜遅くまで開店している。

 もっとも、メニューが豊富なのは昼時と夕食時だけであり、朝や深夜は簡単な食事と飲み物が注文できるだけだ。

 そのため、むしろ食事のピークタイム以外では、ちょっとした打ち合わせや、あるいは休憩などに使われることがほとんだった。

 玉青はそんな食堂の一番奥、観葉植物によって隠れ家のようになった席に陣取り、たくさんの紙片とにらめっこをしていた。様々なイラストが描かれた資料のようだ。

(萌え絵アレルギーとは予想外の課題だな。対処として一番簡単なのはとにかく萌え絵に慣れることだろう。そのためには絵師の協力は欠かせないが……)

「いたいた~。お~い、玉ちゃん玉ちゃん」

 観葉植物からひょいと顔を出したのは、長い髪の毛を二本のポニーテール……、まるでうさぎの耳のように結わいている若い女性。

「おや、うさぎ君。珍しいね。キミが起きているなんて」

 小柄な玉青よりも大きな彼女の身長は、女性としても高めの部類に属する。

 獅子堂うさぎ、十八歳。

 玉青の親友にして、現在国内最高の売れっ子ライトノベル作家である。

「なによう。それじゃあまるでわたしが、いつも寝ているみたいじゃない。ぷんぷん」

「では聞こう。夕べは何時に寝て今朝は何時に起きたんだい?」

「夕べは、えっとー……、お昼ご飯食べ終わってすぐ寝たからー……、んと十三時? それで起きたのは今日のお昼ご飯の前だったから……、えっと十三時?」

「そうか。キミの感性では二十四時間程度の睡眠は短い方なのだな」

「そうよ、当たり前じゃない。絶好調の私は七十二時間は寝られるんだからね、えっへん」

 腰に手を当てて胸をはるうさぎであった。

「それでもキミはヒット作を連発、しかも量産するのだからすごいよ」

「そんなことないよう。これでもけっこう無理してるんだよ? お昼寝だって前は十二時間だったのを八時間まで減らしたし」

「今は何本持っているのかな?」

「んん? 玉ちゃん、さらっとスルーした? 良いけどね。ぐすんぐすん。えっとね、うーん。いろいろあるから、うまくいえないけど、平均するとぉ、毎月五冊くらい新刊が出る感じかなあ。一時期は毎月十冊とかもやってたけど、さすがにあれはきついからもうやだー」

「……驚異的としか言いようがないな、まったく」

「ほ、ほめたってなんにも出ないんだからね! いぇい、ツンデレモード!」

「ふふふふふ」

 玉青はそんなうさぎを見て微笑んだ。

「ところでこんなところで玉ちゃんは何をしているのかな?」

 うさぎが玉青と向き合うような位置の椅子に座る。

「奥まった隠れ家的な場所でひとり佇む銀髪の美少女……。もしやもしやのラブレター的なものですかな? どれどれ……。ん? イラストレーターさんの一覧表?」

「うさぎ君、例の話はキミの耳にも届いているのかい?」

 机の上に拡げてあった資料を手に取るうさぎに、玉青が尋ねた。

「霊!? いやん、わたし、そう言うのは得意じゃないの! シリーズで一番売れ行き悪いのもお化け退治の奴だしぃ」

「そうなんだようさぎ君。私とこじまかずろう君の進退を掛けた大勝負を半年後に控えているのだよ」

「……いまのコメントからそこにつなげる玉ちゃんはおかしいと思います」

 ぶーぶーと言いながら、うさぎはわざとらしく唇を尖らせる。

 しかし、表情はそこまで不満そうではない。

「うさぎ君。キミも相変わらず人が悪いな。知っててここに来たんだろう?」

「……お見通しってやつですね。玉ちゃん、するどいなぁ……。そうだよ。まだまだ先の話ではあるけど、陣中見舞いってところかな?」

 うさぎが身じろぎをすると、耳のような髪の毛がひょこひょこと動いた。

「ってことはあ、このリストは、その作品の絵師さん候補だね?」

「そうだよ」

「有名どころばっかりだねぇ。……あ、わかった! 絵師の知名度と人気で大ヒットを狙うつもりでしょ! ビバ表紙買い! ビバ絵師人気売り!」

「いや、そこまでは考えていないよ」

 玉青は苦笑する。

「そもそもイラストの善し悪しだけでそこまでの影響はないさ。だが有名な絵師、あるいは非常に良いイラストがつけば販売部数の底上げにはなる。プラスになることはすべきだからね」

「うん。漫画と違って小説は全体を把握するのが簡単じゃないし、まずはパッケージのイラストとあらすじとタイトルがとーっても重要だよね」

「あらすじやタイトルはまだ余裕があるけれど絵師のスケジュールは早めに押さえておかないといけないからね」

「ふむふむ。それでこのメンツかぁ……。玉ちゃん、どうやって選んだの?」

 うさぎが資料を見ながら眉根を寄せる。

「私自身は絵の善し悪しの判断ができない。とりあえず過去五年にわたって活躍したイラストレーターに関して仕事の状況や売り上げなどわかる限りの数字を積み上げて比較したんだ。そして上から二十人ほどチョイスしてみた」

「さっすが。玉ちゃんらしいね」

「それほどおかしい人選ではないと思うのだが」

「うん。ほとんど問題ないと思うー。固定ファンが付いている絵師さんばかりだね。ただ、うーん、若手が落ちちゃってるのが片手落ちといえばそうなのかなぁ」

「若手か」

「うん。人気絵師さんと似た雰囲気とか、今までにない絵柄っていうのも、けっこうな集客力があるんだよう? それに最終的には絵柄と作品との相性がものをいうわけだしね」

「なるほどな……。そこは私にはわからない。ある程度実績のある人間以外は評価するデータが不足しているからね」

「んまあ、若手はギャンブルよ。経験が浅くて仕事を受けても納期を守れなくって、方々に迷惑をかけたあげくに、作品そのものが打ち切りになっちゃった例とかもあるし」

 うさぎは目を閉じ、神妙な面持ちでうなずいていた。

「とりあえず、作品自体がどんなのかはわからないけど、玉ちゃんが作ったこのリストの中から選んだ絵師さんにお願いできればそれで良いと思う」

「そうかい? 人気作家のうさぎ君がそう言ってくれると心強いな」

「えっへん」

「だが、その二十人すべてがすでに年内の仕事はいっぱいだそうだよ」

「ありゃりゃ。そいつぁ困りましたね、だんな……」

「そうなんだよ」

 玉青はため息をついた。

「せめて絵師は人気のある人をつけてあげたいんだ。何せ和郎君の作家人生がかかっているから、売り上げにプラスになりそうなことはできるだけやっておきたいからね」

「ふむぅ……」

 うさぎは腕を組み思案顔を作る。しばらくしてから口を開いた。

「あのさ、玉ちゃん」

「なんだい、うさぎ君」

「玉ちゃんは今回の件、どれくらい真剣に考えているの?」

「私はいつだって真剣だよ」

「そうじゃなくてさあ、その、わたしには、玉ちゃんはそこまで一番になることに執着してないように見えるんだよね。今がんばっているのも、あくまでもこじま先生のためみたいな」

「……本当に鋭いね、うさぎ君は」

「何年友達やってると思ってるの? それに年上をなめてはいけませんよう」

 そこでうさぎはわずかに身を乗り出していう。

「で、本当のところはどうなのよ」

「正直に言えば私自身はどちらでもかまわない」

「負けても良いってこと?」

「元々、私のミスがすべての原因だからね。その責任を取るのは当然だ。会社の損失を埋めるのも、もちろん和郎君の将来を立て直すことも、だ」

「ほうほう」

「冷静に考えてみたまえ。いくら娯楽商品だからと言って、ラブコメに関しては素人に近い未経験者が作った作品が、あまたのベテランを差し置いて一番なるとは思えない」

「可能性だけならゼロでもないんじゃないと思うけど?」

「もちろんだ。しかし百パーセントではない。わずか数パーセントを信じてものごとを進められるほど、私はばくち打ちではないのでね」

「それじゃあ、玉ちゃんは本当に……」

「ああ。和郎君の、こじまかずろう先生をこの業界に戻してあげたいがための行為だよ。大ヒットとまではいかなくとも、普通に書ける作家だと証明できれば、彼は業界に復帰できるはずだからね」

「なーるほどう……」

「もちろん一番になれたらそれはそれでうれしいけれどね」

「でも、そこまでするのはなんで? こじま先生の本、わたしはある意味面白く読めたけど、正直そこまで肩入れするような才能でもないかなあって思うのだ」

 そこで玉青は思わず腰を浮かせる。

「面白く読めた? 本当かい? それはぜひ和郎君に言ってやってくれ。喜ぶよ、彼」

「……ある意味、よ。良い意味とは限らないでしょ」

 玉青は苦笑するうさぎに体を押し戻された。

「そうか……」

「もしかすると、昔から言ってた、玉ちゃんの王子様と関係あるの?」

 うさぎが静かに言った。

「王子様、というのは少々違うと何度も言っているだろう」

「じゃあ、おじいさま?」

「なぜそうなるんだ……」

「オーストラリア人の偉い人?」

「オージー様か? 頭をひねらせすぎるような笑いはよくないと何かの本で読んだよ」

「まあ、なんでもいいけどねー。それで、どうなの? ほんとのところは」


*   *   *


 王子様というのは、玉青が幼い頃に出会ったひとりの少年のことである。

 玉青はものごころついたかつかないかの時から父によって激しい英才教育を施された。

 同年代の幼児たちのように、外をかけまわることも、知育玩具で遊ぶこともなく、朝から晩まで、ただひたすらに知識と知恵を詰め込まれた。

 友達とよべる存在は、ひとつしたの妹の紅緒だけだった。

 だが、紅緒は紅緒で別の教育を受けていたため、ふたりが揃って遊ぶということはほとんどなかった。

 また、玉青は優秀すぎた。先祖にわずかに入った血が顕著に出てしまったような銀髪碧眼という特異な容姿は、特異な能力を体現してしまったかのようであった。

 英才教育の効果もさることながら、元来の資質が高かった。一つの新しいことを覚えれば、十のより新しいことを思いつく。そんな人間に育っていった。

 だが、それがまたもや玉青を孤独にしていった。

 五歳になる頃には、周囲の大人でさえ、ほとんどが玉青と会話をすることを拒んだ。

 玉青と話すと、みな一様に、自分が愚かだと認識せざるを得なくなるからだった。

 そんな日々の生活はやがて玉青から子供らしさを奪い、人間らしさを失い、そして笑顔を忘れさせた。

 必要なこと以外は口も聞かず、表情も変えない玉青。

 外見の特異さは見る物の目を奪う。だが、皆がまるで腫れ物に触れるかのように扱う。

 誰かがそんな玉青をまるで宝石のようだと揶揄した。

 玉青はそれを知ったとき、とても納得できたことを覚えている。

 そしてかえって石のように振る舞おうとした。寡黙で無表情で、そして微動だにしない。

 玉青がその少年と出会ったのはその頃だった。

 何かのパーティだった。

 父親に連れ回され、疲労した玉青はこっそりと会場を抜け出した。

 どこかのホテルを貸し切っていたのだろう。

 外には広大な庭園が広がっていた。

 人気のない方、人気のない方に向かうと大きな池があった。

 ほとりで休もうとすると、先客がいた。

 子供だった。男の子だ。

 話しかけられると面倒だと思った玉青はすぐに退散しようとしたのだが、あいにくと少年は玉青を発見してしまう。

 少年もパーティを抜け出してきたようだった。

 少年はよくしゃべった。玉青は隙を見て立ち去ろうとしたものの、その機会がないくらいに。

 否。チャンスはいくらでもあった。

 玉青は久しぶりに自分を相手に普通にしゃべる人間に出会い、かすかに安堵していたのだ。

 そんな彼がふと玉青に言った。

『なんだかおまえ、ちっともわらわないんだな』

 笑わない。

 それは自覚していた。少年の話がちっとも面白くもなんともなかったからだ。

『え? おれのはなしがつまらない!?』

 少年は目を見開いて驚いた。

『おっかしいな、けっこうなじしんさくだったのに』

 そこではじめて玉青は、少年が話していたものが少年の作り話だと気づいた。

『おれ、しょうらいさっかになりたくてさ』

 作家。本を書く人間。要するに、将来の自分のビジネスパートナーか。玉青はそんな風に無機質にとらえた。

『くっそー。じゃあ、つぎのはなしはこれだ』

 少年は玉青を笑わせようと躍起になった。

 ストーリーも言葉も演技もすべて幼稚だった。

 大人向けの物語の仕組みや仕掛けを解説するような論文を日常的に読んでいる玉青からすれば、ひどくレベルの低いものだ。

 もし同じことを家の人間がしたら、レベルが低いと一笑しているところだろう。

 だが、玉青は同年代のこどもが、必死になって話を作っている、という状況は始めてだったので、珍獣を眺めるような心づもりで少年の話を聞き続けた。

 いくつ目の物語だったろうか。

『あ、おまえ、いまわらったろう!』

 不意に少年が指摘され、玉青は驚いた。確かに口角が上がっている。

『そっか、いまのがおもしろかったのか。じゃあつぎは……』

 と、少年は同じような物語を語り出す。

 自分が何に反応したのかいまいちわからないまま、少年を見ていると、さらに口元に笑みが浮かんでくるのがわかった。

 自分が笑うと少年はますます口調や動作をますます大げさにしていく。

 笑っている。

 それを自覚した玉青は自問する。

 楽しい? 何が?

 はっきり言って物語りは面白くない。

 だが、玉青は少年の行動を楽しんでいた。

 どうやら彼の紡ぐ物語、その裏にあるものが、玉青にとって心地良いらしいと気付いた。

 よくわからない。よくわからないが、この感情は初めてだ。

 そう思った玉青は、わきあがって来た気持ちに流されてみようと思った。

 すると、どんどん愉快な気分になってくる。

 しまいには声を出して笑っていた。

『かおるがいってたんだ。ひとはわらってるほうがいいんだって』

 盛大なパフォーマンスに息を切らしながら、ふと少年が言った。

『たのしいことをかんがえれば、いやなことなんかわすれちゃうって』

 たしかに玉青は、もやもやしていたものが薄れているのを感じていた。

『だからさ、おれ、しょうらいはみんなをたのしませるようなさっかになりたいんだ』

 少年はどんと胸をたたいた。

 理由はわからないが、少年は自分を笑わせた。

 だからきっと、立派な作家になるんじゃないかと、玉青はそう思った。

 それならば、自分は将来この少年の本を出版し、盛大にもうけられるようがんばろう。

 そんな、至極子供じみたことを思いつき、玉青はまた可笑しくなった。

 やがて玉青の家の者が玉青を探しに来たため、少年とわかれた。

 玉青はその少年によって、少なくとも笑顔を取り戻すことができた。


*   *   *


「結局、玉ちゃんに笑顔を取り戻した王子様が誰だったのかはわかんなかったんだよね?」

「パーティの関係者を調査したが、彼に相当するような参加者と関係者はいなかったんんだ」

 玉青は軽いため息を吐いた。

「それで、玉ちゃんはこじま先生の顔写真がその少年に似てると思ったんでしょ?」

「う……、む」

 うさぎの指摘に、玉青はわずかに頬を染める。

「ぱっと見た瞬間にな。こう、雷に打たれたかのように、あの子だ、と……、思ってしまったんだよ……」

 言いながら、玉青は目を伏せ、うつむいてしまう。

「思い込みというものはおそろしいものだ」

「とかいってえ、でも玉ちゃん、まだあきらめてないんでしょ? こじま先生を業界に復帰させたいっていうのもあるけど、実際のところはもう少し一緒にいて本当に勘違いじゃなかったかどうかを確かめたいだけなんじゃないの?」

「……うさぎ君。キミは本当に鋭いね。どうしてそこまでわかるんだい?」

「そりゃあ作家ですからねえ。キャラの心情を考えるのがお仕事ですから」

「つまり私はキミが書くやたらと下着姿になる女子たちと同程度の思考回路なわけだ」

「むむ、そこはかとない悪意!」

 どういうわけだか腕を交差させ、某ヒーローの必殺技のポーズを取るうさぎ。そんなうさぎを見て、玉青はくすりと小さく笑った。

「まあ、冗談だよ」

「こっちも冗談よう。っていうか、さっきも言ったでしょう? 何年友達やってると思ってるのよ」

「私が六年間だけ過ごした初等科の寮からのつきあいだから、かれこれ十一年か」

「そうだねえ。わたしが二年生のときに相部屋になったのが玉ちゃんだもの。当時は大変だったなあ。玉ちゃんってば無表情で横柄でやたらと上から目線の子だったし」

「まだ感情を取り戻したばかりの頃だからな……。ある意味情緒不安定だったのだよ」

「情緒不安定で寮から学校までの仕組み全部換えちゃうとかあり得ないでしょ」

「非効率的かつ非生産的なことをきちんと統計的にデータを取って、順序立てて証明してみせただけだよ。換えたのは大人たちだ」

「はいはい。そういうことにしておいてあげますよう」

「まあ、うさぎ君がいろいろとかばってくれたことは今でも感謝しているよ」

「うえっへっへ。当時は問題児を手なずけている唯一の存在として重宝されていたのよ」

「私に対すること以外ではむしろキミの方が問題児だったけどな。何度、眠ったままのキミをリヤカーに積んで学校に行ったことか……、おかげで病弱だった私の体力も人並み程度になったわけだが……」

「うへえ、それをいわないでぇ」

 妙な声を出しながら、万歳をしてテーブルの上に突っ伏すうさぎだった。

「……ん? 問題児?」

 ふと、伏せたうさぎがくぐもった声を発した。そして、ものすごい勢いで起き上がる。

「そうだ!」

「どうしたんだい、うさぎ君」

「ヒットしそうな絵師探してるんだよね! いたいた、ひとりいるよ、そのリストに載ってなくて、それでいて人気も実績もありながらも、絶対今は暇だっていうひとが」

「……まさか」

 玉青も、うさぎが問題児という言葉から連想したことをヒントに、脳内のデータベースを探り、心当たりにたどり着いた。

「そうそう! たぶん当たってるー。ペンネームは妖狐ちゃんっていう……」

「……(つね)(かし)()(あや)君か……」

「zzz」

「うさぎ君、なんでこのタイミングで寝るんだ、キミは。意味がわからないよ」

「んへ? 寝てないよう。ゼットゼットゼットっていっただけだよう。むにゃ、もうたべられないん~。むにゃらむにゃら」

「……しまらないね、まったく」


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