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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

妖怪と異世界と

だから小人に転生したんだってさ。

作者: カラスの子






 小人。

 平均身長約二十センチくらい?

 少し大きめのスマホくらいの背丈に、子供のような体型。

 髪は普通の小人は黒髪か茶髪だが、私は薄い金色。

 瞳も黒や茶色がなのに赤。

 肌も白く、どうもアルビノぽい。

 なに?この転生のお約束?要らないよ。まぁ、それで村から追い出されるとかないから良いけれどね。

 小人はそんな細かいこと?は気にしないのもある。

 くっ、まぁいいや、で、小人は深い森の奥に集落を作って暮らしている。

 天敵は数多いが、一番恐ろしいのは人間。

 気がつけばそんな小人に転生していました。

 理由は知らない。

 神様にも会っていないし、死んだ記憶もない。

 最初は小人ってよくわかっていなくって、普通に転生かと思っていたけれど。

 小人って分かって色々納得はした。

 だって、目の前には今の私よりも背の高いタンポポが生えているもの。

 今日は、小人の集落総出でタンポポ取り。

 タンポポフワフワの綿毛は、断熱材として服の綿の代わりや布団に入れるのも良い。

 種は焼くと芋みたいで美味しい。

 うん。

 すっかり小人ライフ堪能しています。

 固い雑草の芯で編んだ籠に収穫したタンポポを種と綿に分けて入れ、ネズミの引く荷馬車に乗せていく。

 「ネズミさん、どお、動ける?」

 私の言葉にネズミさんは頷く。

 言葉は話せないけれど!意志の疎通は出来る。

 意志の疎通は多くの生き物と出来るけれど、意志の疎通が出来ても無駄な事も多い。

 例えば蛇。

 彼らにとって基本的に小人は餌だったりする。

 食うか食われるか。

 小人だって負けてはいない。

 襲って来た蛇などは、倒せば食料に変わる。

 皮も有効活用。

 弱肉強食な世界だ。

 一方的にやられる場合もある。

 魔物や肉食獣それに人間。

 圧倒的な体格差はどうしようもなく、只、補食され捕まる。

 まぁ、魔物や肉食獣は倒せなくても撃退は出来るのでいいのだけれど、厄介なのは人間。

 元人間が言うのもアレだけれど、本当、人間全滅して欲しいです。

 そんな事を思っている間にも、タンポポの収穫は終わり村へと戻る。

 村と言っても、木の虚や根っ子の穴を利用しただけの住まいがあるだけで、まともな家はない。

 私の家も大きな木の根元に穴を掘った所だ。

 だが、木の扉もあり。

 絵本の小人の家でも思い出してくれたらまぁ、間違いはない。

 「ねー!!」

 家に入り出迎えたのは妹ちゃん団。

 私の妹ちゃんたちは五つ子。

 正直、顔での判断不明。

 で、襲い掛かられ沈む。

 「もう!ミ、レ、パ、モ、ヒ退きなさい!!」

 小人の名前って、基本一文字。

 因みに私はメ。

 此れに家の名がついて、ファ・メ。

 小人の村は百人くらいが住んでいるので、メさんは私意外に後二人いる。

 妹ちゃんたちの山から抜け出し、妹ちゃん団の上へとのし掛かる。

 「わっきゃ」

 「おっきゃ」

 襲い掛かられ襲いかかり、妹ちゃん団と遊んでいるとお叱りの声が響きわたる。

 「ママー」

 妹ちゃん団が矛先を変えた。

 「あー、邪魔」

 お母さんが的わりつく妹ちゃんたちを一振り、吹き飛ぶ妹ちゃん団。

 部屋の物を散らかしながら妹ちゃん団は、転がっていく。

 もう、部屋をかたづけるのは誰だと思っているのか。

 因みに、小人はこの程度では怪我なんてしない。十メートルくらいある木から素のまま飛び降りても、怪我一つしない種族なのだ。むしろ、子供たちの間では、大きな葉っぱをパラシュートにして飛び降りる遊びもある。

 危険なんて気にしない。

 小人は大人でも好奇心が強い種族なのだ。

 「ほら遊んでいないで、たんぽぽ貰いに行くよ!!」

 お母さんの言葉に、妹ちゃん団がいっせいに整列する。

 「ねー、行くよ!!」

 「あんたらな」

 妹ちゃん団の言葉に呆れながら、最後尾につく。

 「さぁ、行くよ」

 「おぉぉぉぉ!」

 お母さんの言葉に妹ちゃん団が応え、親子列車で出発する。

 どこぞのネズミの国の小人達の掛け声が聞こえてきそうな光景で、進んでいく。

 村の広場に戻ると、今日の収穫が集まっていた。

 小人たちも集まっていた。

 集まって、祭りになっていました。

 小人は騒ぐことが大好きです。

 当然。

 「私にも頂戴!!」

 私たちも混ざります。

 良い労働の後は、馬鹿騒ぎとご飯。

 小人に情緒何て求めてはいけません。

 騒ぐ。

 楽しむ。

 これこそが小人ライフです。

 妹ちゃん団も騒いでいます。

 元より騒がしい妹たちが加われば、騒ぎは大きくなりますが気にしません。

 小人なんてそんなものです。

 たとえ今日の収穫が大量に消費されようと、問題にしません。

 前世の記憶持ちの私にすれば、しろよと言いたいですが無駄だと知っていますので、一緒に騒ぎます。

 「メ、これ美味しいよ!!」

 「マ、何を食べ」

 友人のマが声をかけて来たので見れば、その手には赤赤しいキノコ。

 「体しびれる〜」

 毒キノコですね。

 まぁ、フグを食べても死なない小人ですから、毒キノコ程度問題にしません。

 え、フグがいるのかって?

 フグは、コチラでは川で捕れます。

 鮒や鯉のようにごく普通に捕れますが、毒はあるようで人は食べないらしいです。

 でも、小人は食べます。

 フグは美味しいです。

 こんな時、醤油が欲しくなりますが気にしません。

 フグの血を渋柿の様な果物を混ぜ煮こんんだソースと共に頂くと、とても美味しいですから。

 でも、やっぱり醤油欲しい。

 ごめんなさい。

 やっぱり醤油欲しい、気にないと言ってごめんなさい。

 当然、フグの毒に当たりますが、しびれるだけです。

 毒とは、小人にとってお酒みたいな感覚なのです。

 それにイザという時にも役に立ちます。

 人間に良く効きますから、フフフ。

 とにかく騒げな、小人ライフですが、この収穫日の数日後危険が迫って来ました。

 人間です。

 人間の襲来です。

 冒険者と呼ばれるクズが、小人捕獲に来たのです。

 人数は四人。

 戦士風が二人、弓を持つのが一人。神官ポイのが一人。

 四人とも人間です。

 他種族。

 エルフやドワーフ等がいるグループでは、小人狩りなんてしないそうなので、人間だけのグループになります。

 しかも、神官もどきがいるなら更に人間主義の可能性が高いです。

 エルフやドワーフと違い、人の話を聞くのが苦手な小人は、人間の宗教感を理解しません。

 聞いていません。

 寝ます。

 ですので、人間の一部には小人を獣と同じに考えている者たちも多いです。

 甘いですね人間。

 小人は確かに物事を真剣に考えはしませんが、馬鹿ではないのです。

 まずは潰すのは神官。

 神様が種で差別する様な事をするかと言いたいが、所詮、信仰しているのは人間。

 自分たちに都合の良いように歪めて信仰している筈です。

 変な魔法を使われる前に、フグの血を元に毒のある植物を混ぜて作った毒を、その口に放り込みたいと思います。

 「メ!いきまーす」

 掛け声と共に木の上から飛び出す。

 「マ、でる」

 「モ、いくよ」

 囮部隊が木の上から、人間達に襲いかかる。

 「小人だ!つksまkヴぃ」

 毒の袋を神官に投げつける。

 よし!口に入った!

 突然の事に戸惑った神官もどきは、直ぐに苦しみだす。

 「毒か?!」

 「おぉぉあぁ」

 戦士風の男たちは少し先行していたのでかからなかったが、神官の隣にいた弓を持った男にも、神官から外れて服に当たって弾けた毒が口に入ったのか苦しみ出す。

 神官達の様子に慌てて戻ってくる戦士たち。

 「今」

 掛け声に、薔薇の蔦で編んだ網を上から一気に落とします。

 一人には剣で遮られてしまいましたが、もう一人は上手く捉えました。

 薔薇棘には、毒に更にフグの肝などを入れて濃厚した猛毒を塗ってあります。

 そう、傷さえおって貰えれば良いのです。

 これで後は一人。

 「この小人の分際で!!」

 「キャァァ」

 「チ!?この!!雷撃!!」

 私が振り下ろした手の先に、雷が落ち。男の腕を直撃する。

 「な!?小人が魔法だと」

 「反撃開始!!」

 混乱する戦士に、人間の持ち込んだ大きな釘に猛毒を塗って集団で襲いかかります。

 人間の戦士は剣を振って応戦しますが、多勢に無勢。

 フグの毒塗った釘が、男の肌に刺さっていき遂には倒れました。

 「止めよ!!」

 この人間たちを確実に屠る必要があり、毒だと回復する恐れがあるので森の魔物を呼び寄せるため。

 苦しんでいる人間たちに傷を付けて血を流させます。

 これで後は魔物が来るのを待ち、来れば早々に逃げ出します。

 人間たちですか?

 逃げられないでしょうね。

 毒で苦しんでいますし。

 でも、助けてどうなります?

 きっと今度は毒の対策をして戻って来ますよ?

 その時、自分だけでなく村の小人たちや妹たちが奪われたらどうするのですか?

 魔物が街を襲われて、人間たちは魔物が可愛そうだとたすけたりするでしょうか?

 今の私は、小人です。

 人間たちの都合で捕まれば売り買いされる生き物です。

 理不尽です。

 売られる理由は、人間が捕まえたから売るだけの話です。

 理不尽です。

 なら、襲って来た人間を、もう二度と越させない為の一番の方法は消えて貰う事です。

 反省?

 ですから、そんなのしてくれません。

 先程も言ったように、装備を整えまた来ます。

 情けをかければ、今度はコチラが酷い目に合うでしょう。その時、後悔なんてしない為に非情になります。

 あぁ、魔物の咆哮が聞こえました。

 「なんで・・・こび、とが・・助けて」

 小人は魔法を使えません。

 だから、観賞用にはピッタリだそうです。

 それなのに魔法を使う小人がいる。

 そんな危険な情報を持って帰らせるつもりはありません。

 「サヨナラです。人間さん」

 私は大事な仲間を家族を守るために、人間であった時の知識を使いました。

 今の私は、小人です。

 村の小人たちは人間を退治できて大喜びです。

 「飲むぞー」

 「踊るぞー」

 「騒ぐぞー」

 仲間たちが騒いでいます。

 妹ちゃん団も騒いでいます。

 「「「「「ねー、お腹イタイイタイ?」」」」」

 「ん?」

 「ねー、何だか悲しそう」

 「・・・・」

 妹ちゃん団が心配そうに見ています。

 心配は無用です。

 貴方たちがいて、仲間がいるのだから。

 「妹ちゃん団、踊りましょう!!」

 「「「「「うん」」」」」

 妹ちゃん団を引き連れ、騒ぎの中へ。





 小人ライフはまだまだ続きます。








 ですからねぇ、人間さん。

 楽しみの邪魔はしないで下さいね。

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