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プロローグ(僕)
いまいち人を好きになれなかった。
友達も人並みにはいる。彼女だっている。
学校帰りにコンビニに寄ったり、みんなではしゃいで馬鹿笑いしたり、学校の違う彼女とは夜の公園でいつまでもお喋りしたりした。
僕はそんなどこにでもいるような高校生だったし、自分の考え付く限り高校生っぽいことをしていた。
でも、いくら考えてもわからなかった。
なんで人を好きになるのかが。はっきりいってさっぱり僕には理解不能だった。
友達と遊んでいても一時は楽しいが一人になるとすごく空しい気持ちになって、なんで仲良くしているのかもよくわからなくなった。
彼女に好きとか言われても、あまりどきどきはしなかったし、自分は彼女のことが好きなのかもどうかよくわからなかった。
だから、ずっと興味があった。
なんで人を好きになるのかが。どういった経緯で一生の友達とか、甘酸っぱい片想いとか、両想いのカップルとか、いわゆる青春みたいなことができるのかが知りたくて仕方がなかった。
ただそういう気持ちが知りたかっただけだった。