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短編小説

悲しいことを背負って死んだ人

作者: うわの空

 その人は自分が死ぬときに

 この世のすべての悲しみを引き受けようとしました。


 この世のすべての悲しみを

 この世のすべての苦しみを


 自分が引き受けて、自分とともに殺して、終わらせようとしました。




 その人は、この世の悲しみをすべて背負って、飛びました。

「これで、世界から悲しいことがなくなる」

 そう手紙に書き遺して。



 その人は死にました。

 即死でした。




 この世のすべての悲しみを背負ったその人が死んだら、

 世界から悲しみがなくなる。 




 そんなことはありませんでした。




 みんなはその人の死を、悲しみました。

 涙を流しました。




 その人は、世界中の悲しみを背負って飛び、

 新たな悲しみを生みだして、死んでいきました。

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― 新着の感想 ―
[一言] わたしも、悲しいことを全部背負って死ねたらいいなと思います。 それが新たな悲しみを生み出したとしても、誰かが救われたのなら構わない。 普通に自殺するだけじゃ、まわりも自分も不幸なままで。 だ…
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