2話 情報収集とスキル『鑑定』
とりあえずカノンはキャンプにいる人から情報を仕入れることにした。
「よう。お前さんが新しい冒険者か?ウラーガー商運のキャンプへようこそ。歓迎するぜ。今から森に行くんだろ。ならモンスターについて教えてやるよ」
やはり異世界。モンスターがいるんだな。モンスターの弱点とかあったら確かに戦いやすそう。
「教えてください!お願いします」
「ああ。まずこの森のモンスターは普通コロ、コロソルジャー、ビッグドードー、フォレストウルフの4種類だ。それ以外は人間を見たら普通逃げるから大丈夫だ。それぞれの特徴は…」
話を聞いたところ、どうやら、
コロ:一番雑魚のモンスター。普通は火炎魔法で一気に吹き飛ばすがレベル1なら一体一体倒して行った方が練習になる。弱点は弱すぎて研究されていないらしい。
コロソルジャー:コロが装備をつけた姿。でも弱い。ヘルメット以外を狙えば一撃で粉砕できる。
ビッグドードー:でかい飛べない鳥。くちばしと足の爪が強く、また羽根が鱗状になっており耐久性が高いので初心者では倒せない。避けた方が無難。
フォレストウルフ:森の主。大体群れでいるがここの森ではなぜか1匹で出てくる。こちらも避けた方がいいが、初心者が一気にレベルを上げるために倒すこともある。
という感じらしい。なるほど。結構参考になった。
「ありがとうございます!めっちゃ助かります。あと私はカノンって呼んでください」
「俺の名前はウィルだ。これぐらい安いもんよ。また用があったら遠慮せず呼んでくれ。あとHPには気をつけろよ。HPがなくなったら終わりだからな。まあHPを頻繁にチェックしてカナートからもらったポーションを使えば大丈夫だ」
ウィルからいい情報をゲット。他にも人がいるから何か役に立つスキルとか情報持ってないかな?とりあえず近くにいた学者風の人に話しかける。
「こんにちは!カノンです。ちょっと雑談したいなって思って」
「ああ、あなたが新しい冒険者ですね。なるほど、これは面白い。」
「今何を?」
「ああ、失礼しました。さっきのは『鑑定』というスキルであなたのステータスを見ていたんですよ。ちなみに『鑑定』はすごく便利なのでできるだけ早く覚えることをお勧めします」
『鑑定』、異世界ものでよくあるアレ。それに主人公が持ってて役に立ってるスキルランキングトップ10に入ると思う(自分調べ)便利スキルだ。
「確かに自分も気になります!どうやったら手に入るんですか?」
「ああ、この『鑑定』自体ははレベル3〜10で大体の人が手に入れることができますが、そのレベルによって説明の詳細が変化します。私の『鑑定』はレベル2で、あなたのステータスとスキルを見ることができます。レベルが5になるとどんな暗号や古代文書、秘密でもわかるらしいです。スキルのレベルが上がるのは完全に運と実力次第ですが」
「へえ、ありがとうございます。そういえば何か面白いことでも?」
「いえ実はあなたがレベル4以上のスキル、いわゆるリミテッドスキルを持っていることがわかりましてね。レベル2の『鑑定』ではその詳細はわからないのですが、相当強いスキルだと思います。まあ冒険しているうちにその能力の詳細がわかったら間違いなく上位の冒険者になれますよ」
「なるほど!頑張って発見して使いこなしてみせます!」
他にもいた人たちから戦い方のコツやこの世界のマップの話などを聞けた。あとなんか荷物を運ぶのに使われている巨大なもふもふモンスターが寝ていたのでわしゃわしゃしてきた。すごい癒しパワー。この世界はもしかしたらモンスターのテイムができるのかもしれない。可愛いモンスターがいたらやってみたい。
情報をしっかり集めたところでリヴェナとカナートのところに行く。
「おっ、来たじゃん。というわけでこの先の森で戦いの訓練をするわよ。世界中を冒険するならモンスターとの戦いはつきもの。とりあえず基本さえ押さえておけば身の危険はぐんと減るわ。私に任せればまあ余裕で基本は身につくけどね」
「はっはっは、やはり頼もしいなリヴェナ」
「まあそこらの年寄り剣士とは違うので」
「俺はまだヤングだよっ!」
カナートさんの鋭いツッコミが入る。思わず笑ってしまった。
「ふふ、まあよろしく。リヴェナさん」
「じゃあ出発!レッツゴー!」
やはり大自然。さすが異世界だな、としみじみと感じるほどの圧倒的な緑。の中にドングリがちょこちょこ歩いている。でもサイズは猫と同じぐらいなのだけど。
「もしかしてあのドングリみたいなのが今から倒すモンスター?」
「そうよ、あれがコロっていう…」
「あ、そこら辺のモンスターについてはウィルさんに教えてもらいました」
「おっ、あいつか〜。ナイスよ。私の教える手間がなくなったわ。そんなことならバトルしてみましょう。難しくはないわ…」
まずはコロを倒してみることにした。近づいて…ちょっと怖い…コロも気がついて襲ってくる。刀を抜いて…切る!もう一発!するとコロは真っ二つに割れた。そこからなんか葉っぱ、木の実、殻がドロップした。
「上出来!簡単でしょう?今はまだ地味だけどスキルを覚えれば派手で強い攻撃がそのうちできるようになるわ。ちなみにスキルと言ったら最初に覚えるのは大体『鑑定』かな。『鑑定』は…」
「『鑑定』ですね!学者っぽい人から聞きました!レベル3〜10で手に入る便利スキルって言ってました」
「あなた本当に情報収集上手ね。その通りよ。今日はこの『鑑定』を手に入れることを目標にしましょう。ちなみに私は『鑑定』レベル3を持ってるんだけどあなたがリミテッドスキルを持っていることがわかったわ。化ければ相当強くなるから私も楽しみ」
「それも言われたような…よっぽど強いんですか?」
「ええ、リミテッドスキルはそのままでも強いし進化してリミットブレイクスキルになると最強と言われるわよ。まあ長期的にはそれがどういう効果を持つのかを解明するのもあなたの目標になりそうね。レベル上げのためにさらに奥に進みましょうか。コロだけでは物足りなさそうだし」
ということでコロを刻みながらさらに奥に進んでいった。途中でレベルアップの演出が。やっぱりレベルアップの演出はあるんだな。あとドロップアイテムも結構手に入った。
「あら、ここにはビッグドードーがいるわね。ビッグドードーはあなたのレベルでは倒すのが難しいからそれを避けてコロソルジャーを狩りましょう」
コロソルジャーも脳天から切る!あれ?ガキンという音がして攻撃が弾かれた。コロソルジャーも頭突きをしてくる。ギリギリのところでかわす。
「コロソルジャーは頭に兜を被ってるから頭にダメージは入りにくいわよ〜」
それを早く言って欲しかったです。いやそういえばウィルが言ってたな。ど忘れしていた。気を取り直して下から攻める。今度は何発か攻撃をしてようやく倒せた。
さらに5〜6体倒すとレベルアップの演出が。それに…
「条件1の達成を確認。達成スキル『鑑定』レベル1を獲得」
どうやらスキル『鑑定』をゲットできたようだ。しかも最高速度で。
「え、もう『鑑定』ゲットしたの?すごい…私はレベル8でようやくゲットできたのに…。リミテッドスキルといいあなたには素質があるわね。いい冒険者になれると思うわ。さらに奥に行きましょうか」
さらに奥へと進む。すると開けた広場に出た。
「あれ?なんであいつがここに?」
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3話目もお楽しみに〜