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1話 創世記と転生者

飽きた。やはり自分は面白いことが好きなようだ。最近やっていたのは崩壊した世界の修復である。とある大悪魔によってバラバラにされた世界を張り子のように繋ぎ合わせる。それで完成した世界はモザイクのようでどうしても違和感があった。最初の方は楽しかったのだが…。こうなってしまってはどうしようもない。まあいい、あとは生き残った人間、エルフ、ドワーフ、獣人だけでなんとかしろ。俺は出かける。


「ちょっと!また途中で投げ出して。せめて誰か特殊個体を創ってこの世界を助けてやってよ。出かけると言ってもどーせまた麻雀でしょ」


うるさい天使だ。頼んでもいないのに勝手につかえてさらには自分にお小言(天使は『正論』と言っているが)を言ってくるようになったやつだ。ちょっと息抜きしたっていいだろ。


「息抜きもいいけれどまずは片付けてからです」


しっかりと思考を読まれていた。これだから天使は嫌なのだよ。


「はいはい、わかりましたよ。創ればいいんだろ創れば」


「よろしい。あとこの美味しそうなやつもらうわよ」


適当に作るか…あとちゃっかり俺のおやつをつまみ食いするな。あ、そうだ。


「オープン」


神の石板を開き、設定を始める。まずは種族… 人間、スキル… これはつまみ食いだな、そして適性武器… 刀とかいいかもな。あとセットする魂は…そうそう、最近拾ったこれ。魂の情報は…


名前(ネーム):カノ、充填率:32%、記憶率:5.7%》


珍しく記憶率が高いな。記憶率は大体1%あればいい方だからこれは面白いだろう。あと名前(ネーム)はカノと言うのか、ならばカノンでいいだろう。性別は受肉させてからのお楽しみ。あと瞳、肌の色…めんどくさいからオートにしておこう。少し俺の力を分けておこう。


魂をプリンタにセットして、この情報を送って、「創造後に自動で世界に送信」にして … あとは完成を待つだけだ。さてと遊びに行ってこよう。帰ってきたらおそらく誕生してるだろう。


ーーーーーーーーーーーーーーー


目が覚めると、そこは異世界(知らない世界)だった。ゲームの最初で誰もが見た、崖からの絶景。あの景色の前に私はいた。おそらく異世界転生だと思う。ぼんやりとした前世の思い出もある。あとこの世界での記憶もカノンという名前だけはある。それにしても…


「転生か。何しよう…。でもちょっと楽しみだな」


転生ものでは大体無双してるんだよね。自分もそれだけ楽ならいいんだけど…まあ開始30分ぐらいはよくわからないのがテンプレだけどね。


そんなことを考えていると、1人のおっさんがやってきた。相当重そうな荷物を担いでいる。カノンに気づくと話しかけてきた。


「おっ!お前さんは冒険者かい?この辺りでぼっちとは珍しい…」


ぼっちとかいうな。こちとらついさっき転生してきたばかりだぞ。


「俺はウラーガー商運のリーダーのカナートという。まあおそらく仲間とはぐれたんだろうな。よし!俺たちの隊が王都へ連れて行ってやろう」


「え?いいんですかそんなことしてもらって?」


いきなりのことに思わず聞いてしまった。


「大丈夫だ。どうせ俺たちはそこに行くんだからな。それに俺たちは冒険者を助けるためにこの商売をやってるんだ」


はへ?そんな商売あるわけない…なんか怪しい商売じゃないの?


「初対面の人にそんなにしてもらっても…。てかなんか怪しいような…」


「お前、まさか俺らのことを知らないのか?結構この界隈では有名だと思ったんだが…。」


え、有名なんだ、じゃあ検索…スマホスマホってそういやスマホないんだ。


「お前さん、おそらく初心者か?」


「はい!その通りですが、何か?」


「ハハハ!面白い!いい返事だ。さっきキャンプをここに建てたところでな、今後冒険に役立つ情報を色々教えられる部下たちがいるからちょっと情報、仕入れていかないか?」


「ありがとうございます!」


これは間違いなくチャンスだ。知らないことだらけの今、教えてくれる人がいるのは正直助かる。


「礼には及ばん。俺たちは新人冒険者への支援活動も行っているからな。とりあえずついてこい」


私はカナートさんについて行った。確かに中くらいのテントが7、8個設営されている。


「あなた新しい商隊員?いや冒険者かな。カナートが連れてきたと言ったら。ちょっとイケてるじゃん。私はリヴェナ。このウラーガー商運の副リーダーよ。今はアゼイリア大陸から珍しい物が入ったからそれを王都に輸送中なの」


イケてるですって。嬉しい。あとリヴェナさんも自由人っぽくてイケてるよね。


「今こいつに俺たちについて行かないかと提案してるところなんだが、えっと…返事は…」


「もちろんついて行きます!1人だと絶対迷うので!あとリヴェナさんも服とかイケイケですね」


「あら、ありがとう。これ特注品なの。私の財布が空になったぐらいだもん。でも防御と素早さがすごい上がるし何よりイケてるよね」


装備もあるのか。確かに私も今何か刀のような剣装備してるな。勝手についてきたのかもしれない。


「まあとりあえず私はあなたの旅支度を待ってるわ。そういえば名前なんてーの?」


「確かに。そういえば聞いてなかったな」


リヴェナさんの言う通り確かに名前言ってなかったな。カナートさんも聞きたがってるし。まあこれから旅の仲間になるんだから自己紹介しといたほうがいいと思う。


「私はカノンと言います。よろしく」


「カノンって言うんだ。いい名前じゃん。よろしく。カノンの旅の支度ができたらあなたに戦闘の仕方を教えてあげるわ。この拳、結構強いので」


「ああ。リヴェナは強いぞ。俺は最近歳をとってきて両手剣が重く感じてきてな、戦闘はリヴェナに任せてる。だが新人冒険者への支援はやるぞ。このポーションを持ってけ」


そう言って青いポーションを20個、赤いポーションを10個くれた。めっちゃ気前がいい。


「その青いのは回復ポーション、HPを500回復してくれる。赤いのは継続回復のポーション、HPを10分間1秒に1回復してくれる。と言う感じだ」


「なんかよさそうなものを…わざわざありがとうございます!でもどうしてこんなサービスしてもらえるんですか?」


「いい質問だ。答えは一つ!それが、俺たちの、仕事だからだ!!」


思わず山の向こうに叫んだね。


「そんな仕事が、あってたまるかああーッ!!!」


まあカナートさんは爆笑してたけど。でもいい人に出会えてよかった。

これのモチーフが何か分かったら感想で教えてね〜

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