森の守り神
森の声に耳を澄ます
私の先祖がこの森で眠ってる
森と同化して地域の守り神として伝わっている
私の村の人達が亡くなれば
皆が皆、森の守り神になれるのではなく
村の特別の血筋である佐藤家だけが
代々と森と同化すると両親が言っていた
「佐藤は今の年齢いくつだっけ?」
「15」
森のざわめきが耳をかすむ
「そっか。あと5年なんだね。」
「……」
「そんなに気を落とさないでよ。考えた方を変えればあと5年は生きられるという事じゃない」
私は目をつぶる
佐藤家は20歳で皆、森と同化する為に
死を迎えることになっている
私の両親も20歳で亡くなった
「佐藤がさ、残りの楽しい人生を送れるように私も色々考えてるんだよ」
「真衣は80歳まで生きるんだろ。私の事はいいから自分の未来を考えなよ」
「また自暴自棄になってるんでしょ。そうだっ!暇なら今から森の守り神さまの社に行かない?」
守り神
私の先祖たちの元へか
森の静かな声が何処か儚く聴こえてくる