即オチ2コマの復讐劇
24才、連載です(野虫)。短編の時と違う部分やらありますが、とりあえずカワイイモン娘かけるように頑張ります
「ゼノム、お前はクビだ!! このパーティから出て行け、いいな?!」
「よっしゃ! こいつは餞別だとっときな!!」
ズドゴォォン!!!
「ぎょべあぁぁぁ?!?!」
「「ダケーーーン?!」」
「墜ちたな(確信)」
皆様いかがお過ごしでしょうか。俺の名前はゼノム、しがない冒険者だ。たった今苦楽を共にしてきた(笑)冒険者パーティを追放されたのでリーダー兼勇者の駄犬……もといダケンに一発くれてやったぜ!! ざまぁみさらせ!! この時の為の右手! 後この時の為の拳!
「貴様ゼノム!!」
「なんてことしてくれたのよこの外道!!」
なんかうるさい二人はダケンの腰ぎんちゃくの男女で、えっと……誰だっけ? まぁいいや、どうせ追放されたし言う必要性もないだろう。なんか性騎士とアホウ使いだっけ。俺ったらセンスあるなぁ大草原萌えいずるんですけどクソワロリンティウスwwww
「え?! 外道?! どこどこ?!」
「お前だよゼノム!!」
「なんだって、それは本当かい?! おのれゼノム、絶対許さねぇ!!」
「アンタだって言ってんでしょこのク●野郎!!!」
口も性格も汚いなぁこの〇ッチ。事実コイツが駄犬と騎士と関係を持っているのを俺は知っている。知りたくもなかったのに。俺がそういうのをできないのを知ってか知らずか。いや、知られててもヤッてんだろうなこいつら。発情期のサルのほうが紳士だね
「とりあえず落ち着けよ性騎士(笑)、となりのアホウ使いのおっぱいでも揉めよ」
「…この状況でそんなことするか!!」
「コンマ1秒迷いが見えたな、この状況でも発情するとかお前最低かよ。去勢して人生出直してくれば? というか生まれる前からやり直したら? そんでもって忠誠誓ってるカミサマに尻シバいてもらえよ、新たな門が開くかもな、ケツの門それつまりってやかましいわ!!」
「~~~~~~~~~~~!!!」
「全く、お前たちのせいで話が進まないじゃないか。なのでとりあえずお前らは静かにしようね」
「「あぁああぁぁああぁぁぁ……」」
煽りに煽りまくって正常な判断を欠き、怒りのあまり反応が遅れたのか普段なら避けられるであろう俺の吹矢をモロに喰らう二人。矢にはたっぷりしびれ毒が塗ってある、数時間はビクンビクンする羽目になるだろう。ほら、倒れた床の上で釣られた魚みたいにピチピチしだした。アホウ使いの顔が怒りのあまりシワシワのマジ鬼みたくなってるwwww この顔を絵にして未来永劫イジり倒したいところだが、今回は時間がないのでナシ。
さて今のうちに退職金を徴収するとしよう。あと全員の顔にラクガキ、そして悔い改められるように髪型をトンスラ(むかーしの聖職者に多く見られる頭頂部のみをツルツルにするヘアースタイル)にしておく。ついでにロープで念入りに屈辱的な縛り方をして首から『私達はクソ外道です☆』と書かれた木の板を下げておいた。
☆悔い改めて☆
俺知ってるんですよぉ~? 俺に渡す報酬金を分かりづらいように必要経費だっつって少し減らしてお前ら三人でちょっとずつガメてるの。今まで受けた依頼全ての報酬金を四分割した数字を割り出し、一人分をちゃんと徴収。そしてこいつらがガメてた分の金額も合わせてきっちり徴収する。案の定足りないのでこいつらが使っていたそこそこ値のつく装備をはぎ取って売却することにする。あ、ちゃんと余った金額はコイツらの口座に入れとかないとね。ケチ付けられても困るし。
給与明細はないが、俺が今までコツコツ書いて纏めていた依頼の合計報酬金額と実際に俺が貰っていた給料をメモした羊皮紙をこの後ギルドに提出するつもりだ。ギルドには『真偽の水晶』と呼ばれるマジックアイテムがあり、名の通りあらゆるもののウソと本当を見分けてくれる。これを使えば俺の報酬金徴収は正当化され、手続きを終えれば晴れて俺は円満追放されるという訳だ。
という訳でさようなら諸君。俺が居なくなった後も他の奴らに同じようなことしてたら、両手足チョンパして生きたまま寄生虫の苗床にして体内体外纏めてぐちゃぐちゃのミンチにして虫の幼虫のエサにするからヨロヨロ~。じゃあな!!
あとついでに気絶しているダケンの顔面に屁もプレゼントしておいた。
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
「というワケで俺、パーティ追放されたんよ」
「なんですって?!」
ダケンに屁をプレゼントしてから即俺は冒険者ギルドへと手続きをしに向かった。あの吹き矢に使った麻痺毒はモンスターさえ一日麻痺させることができる強力なものだが、腐りに腐っていても奴らは勇者パーティ。いつ復帰してくるかわからないので出来る限り早急にこの町を離れたいところだ。そういう訳で経緯をこの町の冒険者ギルドの受付嬢に話し、証拠を提出。自分の口座からも全て引き出し奴らに足跡を辿られないように細工をするように頼む
「オイオイオイ、勇者ゼノムをクビにしたのか?」
「死んだわアイツら」
「ほほぅ、ゼノムさんの今までの実績を顧みず追放を……大したものですね」
酒場も兼ねているギルドのテーブルで俺の話を聞いていたのか、三人組の冒険者が笑っていた。この三人はここのギルドで中堅をはる冒険者で、お調子者で軽薄ではあるがちゃんと筋を通す男たちだ。一度食い逃げされたことがあるが、なんとか話し合い(物理)で示談したりしたっけ
「あんまり言ってやるなよ、ただでさえ可哀そうなんだからな。主にアタマが」
元パーティのよしみで一応念のため仕方なくフォローしておく。すると二人は豪快に笑い、一人はメガネを押し上げ笑いをごまかしている。話を立ち聞きしていた他の冒険者たちも釣られて笑っている
「そうだな、コイツより頭がザンネンだ!! ハハハ!!」
「あ?! お前の方が俺よりバカだろ!!」
「あぁ?! ヤんのかコラ!?」
「おぉ?! そっちがその気ならやってやんぞオラ?!」
額を突き合わせて睨み合う二人、そしてそれを煽る周りの愛すべき荒くれたち。一応原因は自分にあるので窘めておく
「お前らやめろ、大丈夫だ。お前らバカだけどあいつらよりは利口だろうからな」
「ケンカ売ってんのかゼノムぅ?!」
「スネ毛引っぺがすぞオラぁ?!」
「「「…………HAHAHAHAHAHA!!」」」
元より冒険者は根無し草。生きていればまたどこかで会える。湿っぽい別れはいらないのだ
「しかし、寂しくなりますねぇ。このギルドの看板とも言えるゼノムが出ていくなど……それを忘れさせる手段はありませんかねぇ? ゼノムさん?」
「相変わらずちゃっかりしてンなお前な。よォし、俺も男だ!! このギルドのバカ共には世話になったしな、ここに居る奴らの幸運を祈って全員に一杯奢ってやらァ!!」
「「「「「「オォォォォォォ!!!」」」」」
どうせ手に入ったお金もあぶく銭だ。パーッと使ってしまうのがいいだろう。最低限の金はちゃんと貯蓄してあるし
「ただし!! 勇者のヤロー共が来ても俺のことは喋らないでくれよ? 約束出来る奴だけが飲め!! 約束守れねーなら飲むなよ? そんな冒険者の風上にも置けねぇタマ無しに飲ませる酒なんか、ギルドにゃ置いてねーからな!!」
「あたぼーじゃねーか!!」
「おい嬢ちゃん!! 上等なヤツ持ってこい!! ツマミも忘れずにな!!」
酒場のホール係の受付嬢が忙しそうに酒を配ってる間に俺は金を受け取る。そしてその金をそのまま全て支払いに充てた。野郎どもが酒を味わっているスキに俺はギルドを出る。
「じゃあな、愛すべきバカ共」
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
「ぐ……おのれあの役立たず……絶対に許さないぞ……!! クソッ、しかしクセェな!!!」
「ゴメンダケン、ちょっと離れて……! ゲホッ、マジでくっせぇなオイ!!」
「目にくる、目に!! てかアルミナ、お前口悪いな!!」
「うっさいわねアルベール!! キ〇タマ引きちぎるわよホ〇野郎!!!」
「俺はノーマルだっつーの!!」
なんか髪型トンスラのゲス男女パーティが無様に亀甲縛りでジタバタしている気がしたが、きっと気のせいだろう。その日のゼノムの夕飯はいつもより美味しかったそうな。
おま〇け 無駄に凝ったゼノムの武器
マチェットサイス(鉈鎌)カスミナヅチ
刃渡り、そして柄ともども百センチほどのゼノムの主兵装で、ゼノムは2本持っている。状況によって1本だけ使ったり2本使うこともある。普段は刃を折りたたんで鉈として運用し状況に応じて鎌や槍などに変形できる。なんか匂い立つなぁ(立木)。魔物の素材で出来ている為か、同じ質量の鉄と比べて非常に軽い。
刃と柄の付け根に魔法陣が彫り込まれており、鉈として使っているときは攻撃重化のエンチャント、鎌として使っているときは斬撃強化のエンチャント、槍として使っているときは刺突強化のエンチャントが発動し、非常に完成度が高い武器。(使い勝手はともかくとして)
素材は刃の部分は国崩大百足の顎肢が使われており、柄の部分は同個体の歩肢が使われている。磨き抜かれ丹念な加工が成されたその武器の刃は魔力を非常によく通し、魔石などによる属性エンチャント効果が増強されやすいとされる。
形態変形は魔力操作によってなされているが、振り回す勢いに乗せたほうがやりやすい(ゼノム談)。
2本接続して薙刀として使ったりもする。両刃の鎌として自分が振り回して使う場合、刃がコの字になるように接続する。ゼノム曰く、互い違いに刃があると自分を切りそうになるから、とのこと。ちなみに接続部は魔力操作によって着脱ができ、両刃鎌として投げて使う時刃は互い違いになる。(雷の魔石の磁石)
余談だがこの武器の刃に意図的に毒のエンチャントをかけてはならない。竜をも屠るほどの強大な百足の毒腺が通っていたせいか、どんな微弱な毒でも数百倍~数億倍に強化され即死級の劇毒となる。愚行によって生み出されてしまった毒素は敵対者使用者関係なく万物万象を蝕む。それはかつての百足の怨嗟の嘆きか、それとも復讐の怒号か
ゼノムはどんなことがあろうとこの武器を決して手放さない。それはかつての存在に対する贖罪の為か、それとも友情の為か