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「chocolate shot bar」で挑戦し、答えが出ていないもの

次に、自分では良いか悪いか判断すら出来ないでいる、視点についてのダメ出してす。……これってダメ出しと言えるのかなぁ。


「chocolate shot bar」という作品は、三人称神視点、三人称一元視点、一人称と、人称を切り変えて書いたつもりの作品です。


つもりって何?、自信がないの?、という感じですが、微妙に違います。……この作品の一部に、私自身、三人称なのか一人称なのか判断ができない箇所があるのです。


ここからは、こんなことを書いちゃって良いのかなぁなんて思いながら、それでも書いてしまいます。


私は、一人称の文章と三人称一元視点の文章の違いが、いまいちわかっていません。正確に言うと、書けば書くほど、考えれば考えるほど、この二つがどう違うのか、わからなくなってくるのです。


執筆を始めた頃は簡単でした。どこか別の場所からシーンを眺めるように書くのが三人称、物語の登場人物のつもりになって書くのが一人称と、明確に区別が出来ていたのです。


それが、今はちょっと微妙でして。


今回の「chocolate shot bar」では、試験的に少しだけ、書き方を変えています。


どこか別の場所からシーンを眺めるように、誰かの主観に偏らないよう書くのが神視点(作者視点)、主人公の静凛の主観を中心に書くのが静凛視点と、そんな区別の仕方をしています。


そして、神視点から静凛視点へ視点を切り替える際、「静凛」という名前を主語とし、内心描写を説明文とした文章を挟むと、そんな感じでしょうか。これはまあ、三人称寄り静凛視点と言った感じです。


そして、最も視点を寄せた、一人称寄り静凛視点では、「私」ないしは「静凛」という主語を全て省略した上で、内心描写を説明文として入れています。また、出来るだけ、行動と絡める形で書くように心がけています。


こうすることで、三人称寄り静凛視点と一人称寄り静凛視点の大きな違いは、主語と「思う」という述語の有無だけになります。――そしてこっそりと、三人称静凛寄り視点から一人称寄り静凛視点に切り替える、そんなことをしてみました。


つまり、よく似た書き方の、擬似三人称と擬似一人称を準備して、混ぜ合わせた訳です。


この書き方で、静凛視点(擬似一人称視点)が、一人称として機能しているか、正直、自分ではわかりません。何度も読み返して、そう機能していて、違和感を感じないと判断して投稿したのですが、時を置かないと、自分では判断がつかないかなと思っています。もしかすると、(特に作者の方には)違和感を感じる書き方かもしれないと、そんな風にも思っています。


何故、こんな書き方をしたのでしょう? この辺りは、正直に言えば、実験的な意図もあります。ですが、表現として、酒場の雰囲気を三人称で出した上で、チョコレートの味は一人称で説明したかったのです。


酒場の雰囲気は、出来るだけ客観的なものにしたかったので三人称で説明し、チョコレートの味は、人の感想という形にしたかったので一人称にしたと、そんな感じです。


この項の最初で私は、一人称の文章と三人称の文章の違いが、いまいちわかっていないと書きました。これが、一人称と三人称神視点の違いなら、よくわかります。この二つには、客観と主観という、はっきりとした違いがあります。


ですが、「三人称一元視点」と「一人称」の違いが、本当に良くわからないのです。私には「三人称一元視点」というのが、単に、視点変更を違和感なく行うために、あえて主語を固有名詞に変えた一人称としか思えないのです。


三人称一元視点における客観的な説明は、視点者から神視点(作者視点)への視点変更だと、そう感じるのです。


一度誰かに視点を寄せてから、他の誰かに視点変更すると、読者の没入感は失われます。これは、その視点者とは関係のない説明を入れても同じです。視点者の意識をこれから説明することに寄せるか、しっかりと神視点に変更しないと、まるで唐突に視点変更したときのように、説明が浮くと感じます。そうやって考えると、結局のところ、三人称一元視点で説明できる事柄は、一人称とあまり変わらないのではないかと、そんな風に思い始めています。


そして、例え三人称で説明しても、視点者の意識をそこに寄せれば、主観的な印象を与えてしまいます。視点を添わせたまま、違和感を与えないで説明するということは、客観的な説明だと思ってもらえない書き方をしているということだと、そんな風に思うのです。


そうならば、私はできるだけ、視点を沿わせた時の説明は、できる限り一人称で書きたいと、そんな風に考えています。……まあ、これは単に好みの問題だと思いますが。


なので、出来るだけ違和感なく、神視点から一人称まで人称を変更できる書き方を、色々と模索している訳です。


読み慣れない文章の形は、読者に余計なストレスを与えることに繋がると思います。一般論とは違うことも承知の上です。それでもなお、私は、そんな書き方を追求したいのです。


そんな、今はまだ上手く行っているかの判断も難しいような、答えがすぐに出ない挑戦をしてる訳です。なので、読む前に読者に注意を促す意味で、粗筋で人称混在してますよと書いたり、タグに人称混在と設定したりして、注意を促した訳です。


……やっぱり読まれませんよね、一般論からずれた上に、自分で警告がいると判断するような内容では。


多分に習作めいた性質も持っている作品なのに読まれたいなんて、ツッコミ好きな主人公の静凛にツッコまれても仕方がないような、そんな考えのような気がします。

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