エピローグ
私は日下部裕子です。
私は大学を経て無事、就職することができました。
就職難と言われている今、すんなり就職できて良かったです。
新人研修もようやく終わり、ほっと一息もつかぬ間ビックニュースが飛び込んできました。
高校時代に好きだったセンパイがこの度、結婚することになったらしいのです。
そしてなんと偶然にも私が勤めている会社が運営している式場で結婚式をおこなうのです!
てか、全然偶然ではないんですけどね。
私が猛烈に営業をかけて無理矢理...って感じです!
え?普通、好きだった人の結婚式の手伝いなんてしないよね?
って、思う人もいるかもしれません。
でも、私は心が広いのであります。
ここで、センパイに恩を売っておいて将来は略奪する予定です!
式のプランも私の特別営業手当を返上して少しは優遇できるよう上司に相談しました。
ここだけの話、内緒で吉日をキープしてる式場の日程を優先的にセンパイに使っちゃいました。
本当は政治家かVIPクラスの人にしか使ってはいけないんですけどね。
主任には相当、怒られちゃいましたけど。
そんなこんなで式当日。
「センパイ!いよいよですね!どうですか、緊張してますか?」
「ああ、実は少し...ね。」
「ふふふ、センパイ、なんか可愛い。」
「からかうのはやめてくれよ。」
「あはは、あれ?センパイ少し太りました?一時はガリガリだったのに。」
「ははは、そうかな?」
「...でも、本当に良かった。一時期は骨と皮だけでしたからね。すっごく心配しましたよ~。」
「それは心配かけてすまなかったね。」
「...もう、センパイ。なんだか冷たい。」
「悪い、緊張しているんだ。...キミはもう俺の花嫁さんは見たのかい?」
「はい、見ましたよ...すっごく、綺麗でした。」
「うん、そうだろう、そうだろう。」
ひきつった表情をしていたセンパイの顔がパァっと明るくなった。
「...本当、すっごく愛してらっしゃるんですね。」
「ははは、うん、すっごくね。」
「いいなあ~、あの人が羨ましい。」
『新郎さま、お時間です!』
私の同僚がセンパイを呼びに来た。
「じゃあ、センパイまたあとで!」
「おう!日下部さん、いろいろありがとうな!」
...こうして式は滞りなく進んだ。
新郎新婦さんは式場の出口を出て皆に祝福されながらこのまま新婚旅行へと旅立っていく予定だ。
「今日はみなさん、本当にありがとうございました。」
新郎新婦さんは一緒に挨拶し深々とみんなに頭を下げた。
すると新婦さんは綺麗な下手投げのフォームでブーケを投げ放った。
「うわああ......」
歓声が上がる。
不覚にも私も同じような声を発してしまった。
だって、その時の新婦さんはものすごく綺麗で美しくて...
そして新婦さんは笑顔で元気よくみんなに叫んでいた。
『私の人生が幸せなのはひとえに皆さんのおかげです!!』
え?え?その皆さんの中に私も入ってるよね?ね?...あれ?
私の両手にはなぜか新婦さんが投げ放ったブーケがすっぽりとおさまっていた。
- fin -
読んでいただいてありがとうございました。




