バランサー
俺の名は御手洗剛。17歳。
だが将来は『御燭寺』と性を変えるつもりでいる。
俺の人生のイベントの中でおそらく最大の難関ともいえる出来事が起こった。
最愛の彼女が難病で床に伏せてしまったのだ。
彼女のお母さんから彼女の話を聞かされた時、正直またかよっと思った。
なんで俺の恋はいつもすんなりいかないんだ。
やるせない気分にうんざりしたのと同時に彼女の身を案じると涙が出てくる。
あまり俺は色恋沙汰で泣いたことなどなかったのに。
泣いたことで一番印象に残ってることは好きなサッカーチームが2部に降格したことぐらいだ。
過去に俺と別れた女の子たちは泣いているかもしれないのに我ながらヒドイ男だと思う。
だからバチがあたったのだろうか。
これだと思う女性が元々は男だったり今の彼女が難病に伏せてしまったり。。。
だが、今回はあきらめない。
俺の座右の志向が俺を突き動かす。
『神の啓示』ってやつだ。
日ごろのおこないがよければきっといいことが起こる。
俺はそう信じている。
事実、今までもそういうことは何度かあった。
だから一日一膳どころか一日百膳でもなんでもやってやる。
そうすればなんらかの突破口が開けるハズだ。
今日も彼女の病院の見舞いの帰りの電車の中でお年寄りを探しだし席を譲ってあげた。
駅につき重そうな荷物を持っているおばあちゃんに声をかけ荷物をおばあちゃんの家まで届けてあげた。
ついでにおばあちゃんもおぶってあげて、だ。
おばあちゃんは嫌がっていたが関係ない。
何回でも何度でも他人に親切にしてやる。
嫌がっても、だ。
だから、神様、どうかお願いだ。
彼女にも親切にしてやってくれよ。。。
あたしの名前は京本冴子、17歳。
あたしの親友とも言える友達が入院生活に入った。
思えばその子はいつもクラスでひとりぼっちだった。
髪が長く、綺麗なストレートで物静かな感じ。
あたしが昔からそうなりたいと思っているような理想の女学生だった。
ある時、私は興味本位でその子に話しかけてみる。
するとどこかオドオドしててそれがまたおかしくて。
最初は下を向いて話するのが精一杯の様子だったけど会話を重ねるごとにいつしかその子はあたしの目をまっすぐに見て話すようになった。
その瞳はとても澄んでいて見ていると吸い込まれそうな感じだった。
あたしとの会話でもまっすぐでとても好感が持てた。
その子の口から出る言葉はいつも嘘偽りがない。
あたしの今のカレシとのこともなんだか裏でその子が協力してたらしい。
その子のおかげで古い因縁も断ち切れたことだしあたしの高校生活が充実してたのは本当にその子のおかげ。
あたしにできる事といったら千羽鶴でも折ることくらいだけど千羽でも万羽でもいくらでも折ってやる。
・・・ところ、どうか無事で退院できますように。
あたしはあんたが戻ってくるまでずっと待ってるよ。
あたしの名は一里塚恭子。17歳
あたしの親友が入院すると聞いた。
最近、とても身体の調子が悪いみたいで心配してたんだけどね。
とこちゃんとは友達を通して知り合ったのだけどウマがあった。
話もあうし、なんと言っても一番なのは物の価値観とか考え方とか共感できたし。
・・・まさか、このまま死んじゃうなんてことないよね。
あたしの彼氏に何かあたしたちにできる事はないかと相談したんだけどなんと彼氏はユニ○フに知り合いがいるそうでそのツテで最先端の医療技術ができる病院を紹介してもらうことができそうなの。
待っててね、とこちゃん。絶対に悪いようにはしないから。
また、みんなでお昼を一緒に食べよう!
俺の名は市ケ瀬剛士17歳。
俺のバカ彼女の親友が入院することになった。
正直に言うが最初はその親友のほうが気になっていた。
俺の友人に頼み込んでいろいろアプローチしたのだがその結果なんだがわからんが今のバカ彼女とつきあうようになってしまった。
そんなバカ彼女が親友のために千羽鶴を折るから手伝えという。
・・・望むところだ!
千羽鶴でも千羽亀でもなんでも折ってやる!
だから御燭寺さん、死なないでくれ!
俺はバカ彼女の泣き顔は見たくない。
この危機をなんとか乗り切って大学生になったらみんなでハイキングにでもいこう!
僕の名前は小西亮。17歳。
一里塚恭子の彼氏やってます。
そんな彼女の親友が難病で入院するって聞きました。
それで真っ先に思いついたのが知り合いの医療機関です。
きっと何かの役に立つに違いありません。
彼女の親友は僕の親友でもあります。
御燭寺さん、僕は出来ることを精一杯やりますのでどうか御燭寺さんも最後まであきらめないで頑張ってくださいね!
おーっほっほっほ。わたくしの名前は北条真樹菜でございます。年はシークレット。
わたくしが日本に凱旋帰国した時のはじめてのお友達が御燭寺処ちゃん。
知り合いが誰もいなかったので最初に話しかけられたときは本当に嬉しかったですわ。
わたくしの美しさには及ばないもののお人形さんみたいでとても綺麗な方でしたわ。
そんな彼女が難病に苛まれているとお聞きしました。
そしてその手術には莫大なお金が必要だのこと。
わたくしは未来のだんな様のお力沿いにより姉の居場所を探し出しましたわ。
そして見事、父に最初いただいた生活費を見事奪還いたしましたw。
不思議なことに最初に父に頂いた金額よりもだいぶ多かったですけどこれを全額、処ちゃんに寄付いたしますわw。
このお金で世界最高峰の医療技術で手術していただければ処ちゃんは無事、元気になること間違いなしですわw。
良かったですわね処ちゃん。
わたくしという非常に頼もしい存在が友達でいてw。
おーっほっほっほ。
俺の名は根津川剛司、17歳。
以前、俺が狙っていた女が入院すると聞いた。
最初はざまあみさらせと思ったがなんだかかわいそうだ。
俺の未来の奥様もその女の為に尽力するそうだ。
俺も未来の奥様に協力し、なんだか知らんが未来の奥様の姉の居場所を俺のネットワークを利用して探しだしてあげた。
なんでもこれで大金が手に入るらしい。
なんだ、結局、金か。
金ならいくらでもある。
俺はいくらかのはした金を未来の奥様の口座に振り込んだ。
これも一緒にその女の為に使ってやれ。
・・・・ふごーふごー、御燭寺ちゃぁ~~~ん、また嫌がるキミの姿が見たいよ~~~。
小生の名は御燭寺泰三58歳。
義理の娘が入院することになった。
なんてことだ。
オロオロするばかりで何もできない。
そんな自分がもどかしい限りである。
どうしてこんなことに・・・
小生と再婚したことがいけなかったのか?
毎日、仕事をしながらそんなことばかり考える。
だが、小生には何もできない。
毎日不安に駆られながら娘への見舞いに病院に行くと娘の友達が誰かしら毎日のように見舞いにやってくる。
次第に小生の不安は消えていった。
こんなにも多くの友達が見舞いに来てくれる血は繋がっていないけれど我が娘の人間性を誇らしく思う。
我が娘よ。
大丈夫だよ。
こんなにも素晴らしい友人たちがキミにはいるのだから。
思う存分病と闘ってきなさい。
お父さんはキミの勝利を心待ちにしています。




