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エンゲージ

「おーっほっほっほ。ツヨシ様と将来の打ち合わせの為に遅くなってしまいましたわ。」


マキナ様は朝のHR(ホームルーム)にギリギリ間に合った。


「へえ。どんな打ち合わせ?」


聞いて欲しいのだろうと思って聞いてみた。


「それは...秘密ですわw。」

「あはは、そうですかw。きっと楽しみな将来なんですねw。」

「おーっほっほっほ。楽しみですわーw。高校卒業したらツヨシ様と結婚いたしますのーw。」

「...結局話すのでございますねw。...え?結婚!?」

「おーっほっほっほw。」

「...まじですか?」

「マジでございますわw。」

「マキナ様が根津川君と結婚...」

「おーっほっほっほw。あっとw。」


マキナ様は左手の薬指にはめている指輪をわざとらしくチラつかせた。


「マキナ様、それって...」

「あらやだ。おーっほっほっほw。秘密にしてるハズなのに...w。」

「...婚約指輪?」

「ちがいますわーw。ツヨシ様とわたくしだけのオリジナルエンゲージリングですわw。」

「...婚約指輪じゃん。」

「そうとも言いますわねーw。」


そのときキラッ!とマキナ様の左手の薬指はまばやい輝きを放った。


「...うわっ!それってダイヤモンド?」

「おっーっほっほっほ!wおーっほっほっほ!wバレましたかしらw」

「まじですか?高校生がさらっとダイヤとか買えるの?少なくても数十万はしますよね?」

「おーっほっほっほw。ツヨシ様についていけば間違いないですわw。」

「そんなに根津川君、お金持ってるんだ。」

「ツヨシ様はお金を稼ぐことに長けている方ですわw。結婚したらわたくしは家庭に入りますわw。」

「え!?」

「夢でしたのw専業主婦がw。」

「ええっ!?マキナ様、なんでもできるのに勿体ないよ!」

「おーっほっほっほ!wおーっほっほっほ!wところちゃん、人生とはそういうものですわw。」


「おい!二人とも学校とは勉強をするところだぞ!既に1時間目ははじまっている。私語は慎みなさい。」


「あらやだ、申し訳ありませんw。」

「ご、ごめんなさい...。」


担任の先生は自分の受け持つ歴史の授業が始まったにも関わらず、延々と話してる私とマキナ様を注意した。


1時間目が終了すると案の定、マキナ様の周りにクラス内のほとんどの女生徒達が集結した。


「北条さん、見せて見せて!...うわーーー、綺麗。」

「いいなーーー。」

「北条さん、私にも見せて。」

「私も!」

「私も!」

「私も!」

「押さないでください!押さないでください!順番に並んでください!」

「あ!そこ割り込まないで!」


私と冴子ときょんちゃんは押し寄せる女生徒たちの対応に追われる。


「あ、あそこだ!北条さ~~ん!」


どこで話を聞いたのか違うクラスの女生徒達までなだれこんできた。


「うわっ!これは整理券が必要か!?」


「おーっほっほっほっほっほっほ。w」





「ということがあったんだ。」

「へぇ~、あの2人、もう結婚するのか。」


私と御手洗くんは裏庭のベンチでお昼を供にする。


「...さてと。今日はカツ丼を作ってきました。」

「え?マジで?」

「マジです。...でもおいしいかどうかはわかりませんw。」


私はそう言いつつも保温性のあるランチジャーから玉ねぎと卵とじの丼を取り出しその上に別のタッパに入れてあるトンカツを乗せた。


「おお!」

「さあ、どうぞ。」

「...うまい!御燭寺さん、完璧!」

「そお?良かった!」

「いやもう、ホント、俺と結婚してくれ!」


そう言いつつ御手洗くんは私の作ったカツ丼を貪り続ける。


「え!?...本気で言ってるの?」

「本気本気、御燭寺処は俺の嫁!」


カツ丼を食べ終わると御手洗くんはそう言った。


「...マジですか?」

「マジです!...あ!そうだ!」

「??」

「キミに渡したいものがあるんだ。今から家に取りに行ってくる!」

「え!?」

「午後の授業が始まる前に間に合わせるから教室で待っててくれないか?」

「う、うん。」


御手洗くんはそういうと走り去って行ってしまった。

食べてすぐに走ったりしてお腹痛くならないかな。

私の心配をよそに御手洗くんは午後の授業が始まる前に私のクラスに顔をだした。


「ハアーハアー。」

「大丈夫?」

「うん、...良かった間に合った。これ、バーチャンの形見なんだけど。」


そう言うと御手洗くんは私に指輪を手渡した。


「受け取ってくれないかな?」

「え?これって...そんなに簡単に将来のこと決めちゃっていいの?」

「...簡単に決めてないよ。キミを誰かに取られたくない。」

「あの...婚約指輪だよね?これって?」

「うん、そのうちちゃんとしたの渡すけど今はこれで。」

「...うん、...はい、お願いできる?」


私はそっと左手を差し出した。

御手洗くんは超真剣な顔で私の薬指に指輪をはめた。

偶然にもサイズはぴったりだった。


「ぴったりだ!良かった!」

「うん!ホントだね!」


「じゃあ、授業がはじまるから俺は行くね。」

「...うん、またあとでね。」


廊下から教室内に戻るとクラスのみんなが私に注目していた。


「御燭寺ィー!御手洗に指輪はめてもらってたな!」

「ひょおおーーー!」

「ひゅーひゅー!」

「御燭寺さん、おめでとう!」

「おめでとう!」


パチパチパチ!


同じクラスのみんなから拍手喝采を浴びてしまった。

マキナ様と目があうとお互い左手の薬指の指輪を見せ合った。


「おーっほっほっほっほっほ!w。」

「おーっほっほっほっほっほ!w。」


そして私とマキナ様はお互い手を取り合い授業が始まるまでその場でワルツを踊った。

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