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1億年早いわっ!

「はい、御手洗くん、アーン?」

「あ~~ん。ぱく、もぐ...うん、うまいよ。御燭寺さん!」


「うれしい!その魚のマリーネ自分でもうまく料理できたと思ったの。自信作だよ!」

「うんうん、本当とてもうまい!」


「あ、こっちの唐揚もね、サクッと上手に揚がったんだ、食べて食べて!はい!アーン?」


「あ~~ん。ぱく、もぐ...うん、うまいよ。御燭寺さん!」

「うれしい!」


「本当料理上手なんだよね、御燭寺さん良いお嫁さんになるよ!」

「え!?...誰の?」


「もちろん、俺の!」

「嬉しい!お嫁さんにもらってくれるのね!?」


「何を言ってるんだい?当たり前じゃないか!」

「嬉しい!一生あなたについていく!」


「うん、ついてこい!」

「はい!」


「それでその...」

「なぁに?あなた?」


「そろそろキミが食べたいのだけど。」

「...私、はじめてなの。優しくしてくれる?」


「当たり前だろ?」

「あなた...」


「ところ...」


...がばっ!


どきどきわくわくの展開で私は目が覚めた。


「...なんだ夢か。」


でも、いい夢見れたな!

今日1日、気分よくすごせそうだ!




「...という夢を見たんだぁ。」

「あっはっは。なんだかところらしいね。」


「えへへ。」


私は登校中のバスの中で冴子に今日見た夢を話した。


「冴子はその...市ケ瀬君とはどこまでいってるの?」

「え?聞くそれ?」


「あ、ごめん。」

「ははは、別にいいよ。あいつとはえっと、どこまでも。」


「ええ!?」

「ぷはっ!なわけないじゃん、そゆうことは高校卒業してからって決めた。」


「ほへー。」

「お互い目標を達成してからね。」


「すごいなあ、冴子も市ケ瀬君も。」

「そお?普通だと思うけどな。」


「冴子はバレーで推薦、市ケ瀬くんはT大っていう超難関大学受験があるからね...」

「...まあ、あたしは楽勝なんだけどね。でもさ間違いおかしてあいつがわたしにハマッちゃったらさ、受験どころじゃないじゃん?」


「そうですねえ、そうかもしれないですねえ。」

「なにその言い方。」


「あははは。」

「ハハハ。あれ?あれって御手洗じゃん?」


「え?」

「女と一緒に歩いていやがるぞ。」


「ほんとだね。」

「また、始まったか?」


「さ、さあ、でもそういうのはやめたって言ってたけど...」

「...」


バスの中から御手洗くんと同じ学校の制服を着た女の子が一緒に登校しているのを見つけた。

私は超動揺している。


誰なんだろうあの女の子。見たことない人だけど。


気分良く今日1日過ごせるかと思いきや一転してどんよりとした気分になってしまった。



昼休み。



美化委員の清掃活動でふらふらと校庭をさまよっていると御手洗くんに会った。


「やあ、御燭寺さん。」

「あ、こんにちは。」


「ん?なんか元気ないね?」

「え、そんなことないですよ。」


「...本当、どうしたの?何かあった?」

「いえ、別に何も。」


「...そうか。」

「...今日の朝、女の子と一緒に歩いてましたね?」


「ああ、あれは体育で使うハチマキを風で飛ばされたところを俺が拾ってあげたんだ。そしたら今朝、偶然会ってお礼を言われてそのまま一緒に登校しただけだよ。」

「そうなんですか。」


「御燭寺さん?」

「...前から思ってたんだけど誰にでも優しくするのはどうかなって思う。」


「え?」

「特に女の子とか。...御手洗くんはそのつもりじゃなくても向こうがその気になったらどうするんですか?」


「いや、でも、困ってる人を放ってはおけないよ。」

「そうだけど...でも、本当は女の子の気を引きたくてやってたりして...」


「なんだよそれ?...確かに以前の俺はそうだった。でも今は違う!...御燭寺さんにそんなこと言われたくなかったよ。」


そう言うと御手洗くんは走り去って行ってしまった。


「...」



あわわ。


教室に戻り冷静さを取り戻すと我に返った。


...やってしまった。


彼女でもないのに私ごときがヤキモチなんて1億年早い。


できることならこっちのほうが夢であってくれと思ったが残念ながらこっちのほうが現実だった。

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