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セイヤッ!

世間はクリスマス一色。

どこもかしこもあのBGMが流れている。

あぶれもんの私と冴子は駅前のイタリアンレストランでディナーを供にしていた。


「はー、今頃きょんしゃんはカレシとラブラブなんだろうね。いいなー。」

「...ところは誰か狙っている人おるん?」


「えっとね、市ケ瀬くんかな?」

「なっ...」


「あはは。うそぴょ~ん!」

「ところ、もしかしてシャンパンで酔ってる?」


「酔ってないよー。えへへへ。」

「...マジか...ところ、酔ってんじゃん。」


「んー、んー、冴子しゃん?御手洗くんはやめて市ケ瀬くんにするのー?」

「なに、その言い方。」


「だって、そうなんでしょー?」

「...あたしはしばらく恋とかいいや。あたしってなんか重すぎる女みたいだし。」


「重いっていうか、暴力じゃないの?暴力はんたーい!」

「...くそがっ。」


「その汚い言葉もらめー!」

「...マジで酔ってやがる。」


「ククク、初詣楽しみだねえ。市ケ瀬くんに会えるよー?」

「バッ!そんなんじゃ...」


「くくく、私は知っている。市ケ瀬くんはまんざらじゃないことを知っている。」

「...」


「そして冴子もまんざらではないことを私は知っているー。」

「バババ、バカッ!何言ってんの?」


「ククク、本当、冴子ってわかりやっすーい。」

「だめだ、こいつ。」


「早く市ケ瀬くんとつきあっちゃえw」

「...そんなさ、あっちがダメならこっちって。相手に失礼すぎるよ。あたしは佐藤じゃない。」


「うぉ!冴子らしくないマジメな答え。」

「くそがっ!」


「私はくそじゃありません!あははー。」

「そういや、根津川も来るらしいぞ?」


「え?ヤダー。」

「市ケ瀬と根津川って仲良いんだな。意外だよな?はじめはところを取り合いしてたのにさ」


「ですねー。」

「ところは根津川に狙われてるよね。」


「どうやら、そのようですー。」

「あいつ、マジでエロい目でところのこと見てるもんなあ...」


「まじめに勘弁していただきたいですー。」

「はっきり言ってやんな!」


「了解であります!」


私は冴子に向って敬礼した。

ふと店の窓から外を見るとなんと御手洗くんがおばあちゃんの荷物を持ってあげていた。

相変わらずですなー。

顔のあちこちの傷をバンソーコウやら包帯で痛々しい姿を晒しながら重そうな荷物を運んであげていた。

私がニヤニヤして御手洗くんを見ていると冴子も御手洗くんに気づいたようでちょっと不機嫌になった。


「ちっ!」


冴子は舌打ちして視線を御手洗くんからそらした。

が、私は酔っていたので冴子の気持ちも考えず本音を言った。


「クリスマスに人助けとは御手洗くんの苦労も底知れずですな~。」

「...なにそれ?あいつ苦労なんてしてるの?」


「それはもう、冴子が考えている以上に苦労っていうか気苦労してるんじゃないですかね~。」

「はあ?なんじゃ、それ?さっぱりわからん。」


「まあ、でも結果的に女の子を傷つけているのだからこれも人の業ってやつなんじゃないれすかね~。つまり自業自得。あははー。」

「...ところ、本当に大丈夫?」


「...目が回る~~~。」

「ダメだこりゃ。...ところ、送っていくから帰ろう。」


「ほいさっさー。」


酔いすぎて目が回り、冴子に助けてもらって無事に家に帰ることができた。

我ながら情けない。

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