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嬉し忙しうな充

「うおっほ、うおっほ!やっばい...」

「どうしたの冴子?」


というかなんですか、そのゴリラみたいなかけ声は。

他のバスの乗客のみなさんに聞こえると恥ずかしいのですが。

最近冴子はそんな調子。

すこぶる機嫌がいいですね。


「昨日の数学のテストさ、自己採点で72点。」

「へー。良くなったの?」

「うん!だってあたし数学、60点以上とったことないし。」

「冴子、数学苦手だったもんね。」


テスト前に再び私たちに市ケ瀬くんが勉強会を開いてくれた。

今回はテストまであと3日しかなかったのでなんと彼は出題予想問題まで作ってくれていたのだ。

それが本試験では7割くらい似たような問題が出題された。

市ケ瀬くんは本当にすごい。


「私も今回、今までで一番良いかもしれない。」

「何点くらい?」

「んー。85くらい?」

「よーし!まずはところを抜いてやる!」

「あ、なんかヤな感じ。私も負けないよ!」

「あははは。」



タタタタッ!

冴子と一緒に教室に入るときょんちゃんが小走りで走り寄ってきた。


「ねねね、聞いて聞いて!昨日の数学のテスト98点くらいとれたかも!」

「ゲー!」

「すごいすごい!」

「ほとんど市ケ瀬くんの予想、当たってたよね!」

「うんうん!」

「で、2点はなんでダメだったの?」

「うん、答えはあってると思うんだけどね、その過程でマイナス2点引かれそうだなと思って。」

「じゃあ、100点かもしれないじゃん?」

「だったら、すごいね!」

「それもこれも市ケ瀬さまさまーだよ!とか今日の朝、言ったらカレシちょっとムッとしちゃってた。」

「あらら。てか、きょんカレも一緒に勉強会来れば良かったのに。」

「市ケ瀬くんOKしたかな?」

「わかんないけどしたんじゃない?」

「...ハーレム状態を楽しんでんじゃないの?」

「でも、将来先生になりたくて人に教えるという訓練をしてる感じだったからOKしたのでは?」

「なるほどー。1歩先に進んでるね!」


「ハイハイ!席についた!HRはじめるぞ!」


私たちが盛り上がってるといつの間にか朝のHRの時間が来ていた。


とりあえず試験が終わってホッとした。

私は今回も赤点なしで冬休み期間中に補習授業とかしないで済みそうだ。


後は根津川くんとゲームか。

いつにするかな。

そんなことを考えていたら私のスマフォが小さくぶるっと震えた。

私の学校は携帯やスマフォは持ち込み禁止なので先生に見つかったら放課後まで没収されてしまう。

テストなんかスマフォがあれば余裕でカンニングできてしまうからだ。

だがそのうちテスト期間中のみ持ち込み禁止っていう事になるらしい。

先生も大変だ。


内容を見たい気持ちを抑えながら先生が教室を退室するまでぐっとこらえた。


「というわけで明日から冬休みに入るが各自学生の本業は勉学だということを忘れずに!休み期間中にくれぐれも問題ごとを起こさぬように!」


そういうと先生は教室を出て行った。

先生が出ていく度にほとんどの生徒が制服のポケットなりバッグから携帯やスマフォを取り出しいじりだす。

教室にいる半数以上の生徒がそんなことを一斉にする様は異様な光景だ。


『小西とさっき、話したんだけど冬休み中みんなでどこかに遊びにいきませんか?』


市ケ瀬くんからLINEがはいっていた。

小西っていうのはきょんカレ、きょんちゃんの彼氏さんだ。

きょんカレと市ケ瀬くんは同じクラスなのだ。


「いいねー。楽しそうどこいく?」


まっさきにきょんちゃんが返信を入れた。


「私はみなさんに一任いたします。」


私の投げやりの返答。

でも、乗り気がないわけではない。


「ディスティニーランドはどぉ?」


冴子の提案に


「いいね!」

「いいね!」

「いいね!」

「いいね!」


一斉にいいね!がスマフォの画面に表示された。


「あ、でも、あたし部活もあるからな。もし日程あわなかったら皆で行ってきて」


『いやなるべく全員で行けるように日程を調整しよう』


市ケ瀬くんの返信に私もそう思う。

チラッと冴子のほうを見ると嬉しそうな顔をしてた。



あ、もうすぐ1時間目はじまっちゃう。

トイレ行きたい。


時間がなかったので誰にも声をかけずにトイレへ向かった。

根津川くんにバッタリ会う。


「あ!」

「ふごーふごー、御燭寺ちゃん、いつ来るんだよー!」


いきなり怒鳴られた。

というかディスティニーランドの話題でそっちの用事をすっかり忘れていた。


「ちょ!怖いよ!」

「あ、めんご、めんご」


「後で日程の候補日教えに行くから。」

「面倒だからLINE教えてくれよ~。」


「それはヤ!」

「ふごーーー...」


「ごめんね。トイレ間に合わなくなっちゃうから、またあとで!」


意気消沈している根津川くんを背に私はトイレへと急いだ。


「これが便所へGO!...か。」


そんな独り言を言って私はくすっと笑った。


...うなぎも楽しみだ。

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