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はじめましてようこそ。

土曜日の朝。


ばっと飛び起きた。

もう午前10時だ。

もうすぐ冬休み前の試験なので昨夜はちょっと遅くまで勉強してしまった。

しばらくベッドでボーッとしていると母が私を呼んだ。


「ところちゃ~~~ん!お客様よ!起きてる!?」

「起きてるよ!ちょっと待っててもらってえ!」


え?え?

今日は誰とも約束なんてしてないハズ。

誰だろう?

私はバッと部屋着に着替え鏡を見て髪をサッととかし階段を降りる。


「ママ、誰?」

「さあ?なんか違う学校の制服きてる男の子だけど?玄関前で待っててもらってるわよ」

「はあ?誰だろう?」


私は再度玄関に設置してある鏡を見て顔面と髪型と服装をチェックした。

ん、別に大丈夫だよね。


ガチャリ...


意を決して玄関のドアを開けるとそこにはまったく見たことのない男の子が立っていた。


「あ!御燭寺処さんですね?」

「はい。」


「俺、隣町高校の真田剛志と言います。はじめまして。...突然押しかけてごめん。」

「え、いえ。」


「出会って突然なんだけど俺とメル友になってくれませんか?」

「ええええ!?」


突然、そんなこと言われてビックリした。


「あ、ごめん、突然こんなこと言われても困るよね。」


その男の子は恥ずかしそうに頭をかいた。


「あ、あの、なんで私なんですか?」

「うんと、いろいろとキミの噂を聞いて会ってみたいなと思いまして。」


「...」

「いろんな噂を聞いているうちに素敵な人だな、と思って。」


私ってそんな噂になるほどの女だろうか?

正直突然そんなこと言われたらちょっと怖いなって思ったけどこの人、悪い人じゃなさそうだし。

制服もきちっと着てるし話し方や顔も決して悪くない。

むしろ私の好みだった。

メールだけなら万が一何かあったとしてもアドレスを変えれば大丈夫だろう。


それに一番重要なのはこうなったのは私のせいだからかもしれないからOKすることにした。


「いいですよ。メールだけなら。」

「ホントに?やったあああ!ありがとう!」

「あはは、いえいえ。」


赤外線でメールアドレスを交換すると真田くんは今日はこれで帰りますって言って去っていった。

しかし、いきなり知らない男の子が家に押しかけてくるなんて怖すぎる...

どうやって家の住所わかったんだろう。それを聞くのを忘れてた。

まあ、それはいい。


私、やっちゃったんだ。


こうなった原因は私が以前何かの条件に漠然と『剛くんとお話しできる。』とかなんとか願っちゃったせいなのだろう。

昨晩、勉強しながらそんなことを考えてた。


(くだらない私利私欲の為にその力を使わないでくださる?)


マキナ様に言われたことを思い出した。


このままじゃ全国のツヨシくんが私の所に押し寄せてくるんじゃ?


ヤバイヤバイヤバイ!


私はドタドタと階段を駆け上がる。

その間、母が声をかけてきたけど私は焦っていたので適当に答えた。


「ところちゃん?誰だったの?」

「え?...知らない人!」

「まあ。」


母の心配をよそに私は自分の部屋に入り机にどかっと座った。


どうしようどうしようどうしよう?


願いを上書きすればいいんじゃ?

このまま一人一人対応してたんじゃ大変なことになりそうだ。


私は考え抜いた末にこう願った。


「...今日の朝ごはんがフレンチトーストだったらツヨシくんは用事がないかぎり私に話しかけることはない。」


そう願い終えると母が私に声をかける。


「ところちゃん、朝ごはんはぁ~~!?」

「うん!もちろん食べるよ~~~!!」

「じゃあ、下に下りてきてえ!」

「はあーい!」


はあ、頼むよ!神様お願いします!


意を決してリビングのドアを開けた。

テーブルの上に置いてあるのは昨日の晩ご飯の鍋の残り物を利用した『おじや』だった。



うわあああーーーー!!

...はずしてしまった。

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