わたくしのエラスティス
ようやく担任の先生のありがたいお話が終わり私たちは教室に戻ってきた。
「もう!マキナ様無茶しすぎだよ!」
「おーっほっほっほ。」
「...ぜんっぜん、反省しとらんな。」
「冴子もあおりすぎなの!」
「はは、面目ない。」
本当にこの2人は高校生?
なんか、私、この2人のお姉さんみたい。
「あっははは、ところちゃん、お姉さんみたいだね。」
きょんちゃんがズバリ言う。
「え!?、あ、えとその...」
「おーっほっほっほ。優しいお姉さん、いただきますわ!」
いや、あげないし。私は物じゃありません。
「えと、北条さんは兄弟いるのー?」
きょんちゃんが唐突にマキナ様に聞いた。
「...おーっほっほっほ。...クソみたいな姉ならいましたが今は音信不通ですわー。」
マキナ様は一瞬イヤそうな顔してそう答えた。
「ほへー。」
「ねえさんも北条さんみたいな感じなん?」
「んー。私のがお上品ですわね。おーっほっほっほ。」
いやいや、お上品なお嬢様が『クソ』という単語とっさにでませんよ?
「人を騙して利を得る。クソネェ、ですわーw。」
よほど嫌いなんだろうか。
自分の家族は過小評価しがちだかここまでひどく言うのは...
「や、御燭寺さん?」
「え?あ、はい!」
突然振り返ると美化委員会で会う男の子が私に声をかけた。
「今日、放課後、美化委員あるからね。」
「あ、そうですね。...ありがとう、知らせてくれて。」
「いえいえ。じゃあね。」
この私が男の子に声をかけられることなんてそうそうないので後姿をついつい見いってしまった。
「ところ~~~~。」
ばっと向きなおすと冴子ときょんちゃんがニヤニヤしている。
「今の勉強で学年トップ連続保持者の市ケ瀬剛士じゃん?知り合いなん?」
「え?あ、美化委員でちょこっとお話ししたことがあるだけ...」
「ふぅうん。」
冴子ときょんちゃんは依然としてニヤニヤしてるがマキナ様はきょとんとしてた。
「孤高のガリベン、市ケ瀬がところをねー。」
「は?なにそれ?」
「だってあいつ女の子に全く興味がなくてホモじゃないかって噂だよ?」
「...ホモ?」
「あたしの友達の友達があいつに振られたとかという話も聞いてる。」
「へーーー。で、ところをねーって?」
「だから、なぜにところにだけ話しかけてくるのかって話。」
「はっきり言うとー、ところちゃんに気があるんじゃないか?ってことだよ!」
冴子ときょんちゃん絶対面白がってるでしょ。
「ないないない!あたしなんか市ケ瀬君が相手にするわけないよー。」
「...ところちゃん、自分のことを蔑みですわ。あなたは十分魅力的ですわよ?ま、わたくしには敵いませんけどねーw。おーっほっほっほ。」
はいはい、そうですか。
...マキナ様はご自身のことを過大評価しすぎだと思いますわ。
などどひねくれているとあることを思い出した。
「あーー、マキナ様!うわばきぃ~!」
「あら、そうでしたわ。どうも右足がスースーすると思ったら。」
「次の休み時間、探しに行きましょう。私もつきあうよ。」
「...おーっほっほ。さすがはわたくしのスィネルガティスですわ。」
「ないですわねー。」
「う~ん。」
次の休み時間私とマキナ様は裏庭の池の中を覗き込んでマキナ様の上履きを探していた。
「あ、あのー。」
振り返ると女子の下級生らしき人が私たちに話しかけてきた。
「もしかして上履きを探してます?それなら池に飛び込んで男の人が持っていっちゃいましたよ。多分、職員室に届けたんじゃないかと。」
「え?本当?知らせてくれてありがとうね。」
私とマキナ様は再度職員室に向かった。
「北条さん?上履きならこれを渡してくれって御手洗君が言ってたわよ。北条さんのだったのね。」
「え?」
なんとなぜか新品の両足揃った上履きを剛くんの担任の先生からマキナ様は受け取っていた。
「わざわざ、自腹で新品の買ってあげるなんてね。あんたたち弱みでも握ってるの?」
「め、めっそうもございません。」
私たちは逃げるようにして職員室を出た。
マキナ様はぽかんとしたままだ。
「マキナ様?一応お礼を言いに行こ?私、剛く...御手洗くんの顔を一応知ってるから。」
「え、ええ。」
「御手洗くん!ちょっといい?」
御手洗くんのクラスの男子の注目をあびようがおかまいなしに私は剛くんを呼んだ。
「おいおい、また、御手洗かよ。しかもあんな可愛い子2人も。なんのようだ?」
案の定ヒソヒソ、声が聞こえる。
「おーーー!御燭寺さんに噂の編入生さん!どうもどうも!」
にこにこしながら剛くんは私たちに寄ってくる。
...犬ですか。(苦笑)
「マキナ...北条さんがね。上履きのお礼言いたいって。」
「え、あ!あれキミのだったのか!いやあ、見つかって良かったね!」
「え、ええ。あ、あの...]
「ところでなんで新品なの?」
「いやああ、ビショビショで使い物にならなさそうだったからね。俺のポケットマネーで代替品を買っておいたのさ!」
「ほへー。御手洗くん、お金持ちなんだね。」
「そんなことはないさ!」
「あ、あの...」
な、なんだ、マキナ様の様子がおかしい。
「新品にしていただき...ましてありがとうです...ありがとうございます。」
なんでしどろもどろなの。おかしいよマキナ様。
「あ、あの、あの!もし、良かったらわたくし...私とおつきあいしてもよく...私とおつきあいしてくれませんか!」
「はあああああーーーーー!?」




