ファーーーーー!
「いいかお前たち、本来、学生というものはだな...
「いい加減小学生みたいなことはやめて...そもそもお前たちは女じゃないか...
「ガミガミガミ...
担任の先生のありがたいお言葉が延々と続く。
...どーしてこーなった。
話はお昼休みにさかのぼる。
「おーっほっほっほ。京本さん。あなたがいくらがんばっても私にはかないませんわー。」
先日の体力測定で冴子の記録よりもマキナ様がすべて上回っていた。
お昼を食べた後、私たちは全員で記録用紙をみせっこしたのだ。
「ふふん、北条さん。真の身体能力ってのはね。数字じゃないんだよ数字じゃ。」
「おっほっほほん?負け惜しみですわーw。おーっほっほっほ。」
「ふん!...実際に競技して勝つ。勝利こそがすべてなんだよ!」
「いいですわ。そこまで言うのならあなたと勝負してみてもよくってよーw。」
「言ったな?」
「言いましたわ。」
「なら、手始めに腕相撲で勝負だ!」
「おーっほっほっほ。握力なら私、軽く60を超えてますわよーw。」
「だから数字じゃないんだよ!...こい!」
冴子は腕まくりをしてマキナ様を誘う。
「おーっほっほ。腕まくりをするまでもありませんわw。」
「なんだ?なんだ?」
「北条と京本が腕相撲勝負だってよー!」
クラスの男子たちが騒ぐ。
「北条さん、がんばってぇー!」
「きょうもとぉー男の意地を見せろぉー!」
「バッ、あたしゃ、女だっての!」
「ギャハハハ!」
クラス中から無責任な声があがる。
私ときょんちゃんは無言で事の成り行きを見守るだけだった。
「きょん?合図を頼む!」
冴子がそう、きょんちゃんに言った。
「う、うん。それじゃあ、いくよ!...レディーGO!」
ぐっ!
冴子とマキナ様ががっぷりと右手を組みお互い力をこめてくるのが見てる私にも伝わってくる。
「ぐぬぬぬ。」
「おーっほっほっほ...むむむっ。」
...1分は経過しただろうか。
冴子とマキナ様の右手は中央からまったく微動だにしない。
「なげえ!」
「2人ともがんばれー!」
「マ・キ・ナ!マ・キ・ナ!」
「きょう~もとっ!きょう~もとっ!」
クラスのみんなも1体となって両者を応援する。
私ときょんちゃんはどちらを応援することもなく固唾を飲んで見守っていた。
バタンっ!
冴子が勝った!
「はぁはぁはぁ、きつかったぁ~。北条さん、どうよっ!?」
冴子がドヤ顔でマキナ様を見つめた。
「くっ。...おーっほっほっほ。100回に1回の偶然の勝利が来ただけですわー。」
「おーっほっほほんほん。なら次はあんたが勝負事決めていいよ?」
「言いましたわね。それならば廊下へでましょう。」
「なに?」
私たちは廊下へでた。
「この教室の隅から隅へ。どちらが早く駆け抜けるか勝負ですわ!」
「なるほど。超短距離走ってとこか。」
「一瞬の爆発的な瞬発力で勝負を決めますわよ!」
「おう、のぞむところだ!」
なんか、だんだんと危ない方向に向かっていってるのは私の気のせいだろうか。
「ところちゃん、合図をお願いしますわね!」
「え?あ、う、うん。」
いきなり私にふられてしどろもどろになるが見よう見まねでやってみるしかない。
私は右手を上げた。
「位置について。....ようい!...どん!!」
ズバッシャアアアア!
体1個分くらい、マキナ様が冴子よりも早くゴールIN!
「おーっほっほっほ。まだやる気かしら?」
「...まだ、やる気かしらって。まだ1勝1敗じゃん。何を勝ち誇ってんのよ..はぁはぁはぁ。」
「じゃあ、次は京本さん?決めていいわよ。」
「はぁはぁはぁ、じゃあ、最後は...上履き飛ばし競争だ!」
「え?おーっほっほっほ。これはまた下品なことですわーw。」
「いいか、この競技はな、身体のありとあらゆる部分を使う。身体の総合的な能力を測るにはもってこいの競技だ。」
冴子のその言葉に嘘か誠か、ふと疑問に思った私は隣にいるきょんちゃんに聞いてみた。
「ね、ねえ。もしかして上履き飛ばしってこのまま足を振ってどれだけ遠くに飛ばせるかってことかな?」
「う、うん。多分そうだと思うよ。」
それって危ないんじゃ?
私がそう思うのもかかわらず勝負は始まった。
「私からいくぜ!どりゃああああああ!」
冴子は右足を大きく振りかぶると右の足から放たれた上履きは1直線に飛んでいく。
そして隣の隣のクラスの中間あたりで上履きは落下した。
「どうよっ!」
冴子はドヤ顔でマキナ様を見る。
「おっほっほっほ。その程度?私ならもっといきますわー!...せぇの!」
ギュワワワワーーーーーーガチャーーーーーン!...ぽしゃん。
「ああああ!」
「うわっ!やべえぞ!あいつら!」
...マキナ様の黄金の右足から放たれた上履きは廊下の窓ガラスをぶち破りそのまま裏庭の池に落ちた...らしい。




