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黒と白

「あ~、とこちゃん、もう北条さんと仲良くなってる~」


そう言いながらきょんちゃんが私と北条さんに近づいてきた。


「あら、あなたは?ところちゃんのお知り合い?」

「うん、一里塚恭子。『きょん』でいいよ~」

「では、きょんさん、よろしくお願いいたしますね。おーっほっほっほ。」

「あは、北条さん。面白いね~。あ、冴子もおいでよ!」

「...」


やれやれという感じで冴子が自分の席から立ちあがる。


「あたしは京本冴子。北条さんよろしくね。」

「よろしくお願いいたします。...あら、あなた、男の事で悩んでいる相がでているわよ。」

「はあ!?」


冴子はいきなりなんだコイツみたいな顔をして北条さんを睨んだ。

私ときょんちゃんはギョッとしたがすぐにきょんちゃんはフォローを入れる。


「あは、あははは、そうなの。あたしたち悩みっぱなし。恋に恋する乙女たちだから~」

「あんたはラブラブなカレシがいるだろうが!」


冴子はそう言い放った。


「よ、よしなよ。冴子。」


私は思わずそう言ってしまった。

今までの私はこういう時オロオロしながら傍観してるだけだったのに言葉を発した自分に驚いている。


「...む、むう。」


私に制止され冴子は黙った。


「...おーっほっほっほ。あなたたちは随分と仲がよろしいこと。私もそのグループに入ってあげてもよくってよ?おーっほっほっほ。」

「...アハ、アハハ。」


私たちは苦笑するしかない。


昼休み。


私は北条さんも一緒にお昼を誘うべきかどうか悩んでいたら後ろでパササっとお弁当を広げる音がした。

北条さんもお弁当持参なら一緒に食べることを誘おうと思って振り返った。


...目に入ってきたのは黒と白の世界だった。


「え?北条さん、お弁当ってそれだけ?」

「ええ。...何か問題あるかしら?」


北条さんの目の前にあるのはタッパ2つ。

ひとつのタッパには白いご飯。

もうひとつのタッパにはひじきだけがびっしりと入っていた。


「北条さんもお弁当なんだ~。なら一緒に...」


そう言いながら、きょんちゃんと冴子も私たちの席のそばに寄ってきた。


「なんじゃ、そのオセロ弁当は!?」


冴子がそう言い放つと横できょんちゃんが笑いをこらえている。

私もなんか吹き出しそうになったが北条さんに失礼なのでグッとこらえた。


「おーっほっほっほ。まあ、俗人には理解できないでしょうね。このお弁当の良さが。おーっほっほっほ。」

「なんか、意外だよ。北条さん、お嬢さんって感じだからお弁当も豪華幕の内!って感じだったんだけど。」


きょんちゃんがそう言った。


「そうね。...でも人は見かけによらないものよ。」


北条さんにしては珍しくぼそっと小さな声でそう言った。

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