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落としどころ

「ご、ごめんね。お待たせ。」


しばらくすると冴子は1人で戻ってきた。


「あれ、御手洗君は?」

「...ん、なんか一緒に来てる友達のところに戻るってさ。」

「あ、そうなんだ。」

「ふむ、結構、ウチの生徒も来てるようだね。ちょっとまずかったかな。」

「へ?会長さん、何かまずいことでもあるんですか?」


きょんちゃんが素朴な疑問を会長にぶつける。


「...いや。」


そのとき見覚えのある美人が私たちのグループに近づいてきた。

多分、生徒会副会長の『古手川亜莉紗』さんだと思う。


「ちょっとタケシ、1人で勝手にうろつかないでよ、探しちゃったじゃない。」

「うおっと、すまん、アリサ。ウチの生徒を見かけたんで声かけてすぐ戻るつもりだったんだが。」

「え?やだその子たちウチの学校の子?」

「ははあ、会長と副会長ってつきあってるんですね?」


人の弱みを握ったような笑みを浮かべてきょんちゃんは2人に言った。


「いや、これは生徒会の仕事でだな、ちょっとしたリサーチだ。」

「そう、そうなのよ~。」


会長と副会長は取り繕いながらそう言った。


「いや、もうバレバレですから~、でもま、そういうことにしときますか。」


きょんちゃんのニヤニヤは止まらない。

私はオロオロするのみ。


(...会長さんって彼女いたのか。ま、当然だけど。)


結構ガッカリしてる自分に驚いた。

同時に場の違和感を感じたので私は私くらいガッカリしてるような存在に話しかけた。


「冴子どうしたの?御手洗くんと何かあったの?」

「...ごめん、ところ。あたし、ところに言わなきゃいけないことがあるんだ。」

「えと、...なんだろ?」

「...佐藤に告白した。実はあたし中学の時から佐藤が好きだったんだ。」

「え!そうだったの!?」

「...ところにはいろいろ邪魔するようなことしちゃってゴメン!!」


冴子は深々と頭を下げた。


「...」

「あたしの気持ちを言っちゃったから、これから話すことは言い訳になっちゃうかもだけど...」

「...うん、いいよ、気にしないで、全部聞くから。」


私は物凄く複雑な心境だったがとりあえず親友の話を聞くことにした。


「佐藤のことはさ、私は中1で同じクラスになったときから好きだったんだけど、なぜか中3年の終わりごろに急にモテはじめてさ。でもどの子も1週間くらいですぐに別れてさ。その中には私の友達もいたんだ。」

「うん」

「私も好きだったけど結局、友達に譲るような感じで応援してたんだけどね。ま、その友達も1週間で別れて。」

「うん。」

「結構、立ち直るのに時間かかってた。そんなことするヒドイ奴なのになぜか私は嫌いになれなくて...」

「うん。」

「なら私が佐藤の彼女になってあいつの愚行をやめさせるって考えた。」

「...それで?御手洗くんとつきあうの?」

「...返事はもらえなかった。多分ダメだと思う。」

「...そうなんだ。」

「ハハッ、ずるいよね。あたしって。」

「そんなことないよ。」

「ほんと、ごめんね、ところ。...友達やめないでくれる?」

「あたりまえだよ。泣かないで冴子。というかこういう時は思い切り泣いたほうがいいのかな。」

私がそういうと冴子は私に抱きつき、ウワーっと嗚咽した。

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