広いのだ
そうだ 世界は 広いのだ
このこと
知ってるけれど わすれがち
ぼくは
だから
呪文のように 唱えることにするよ
なんども なんども
くりかえすことにするよ
おおきなこえで
世界は 広い
せかいは ひろいんだよ
ああ おおきいんだよ
ほんとだよ
ちょっと あなたの腕
目いっぱい 力いっぱい
のばしてみてよ
身体がいたくなるくらい
のばしてみた?
だけど
せかいはそれより もっともっともっと
ひろくておおきいんだ
しってた?
すごいよね
あなたが いま みている せかい
あなたが いま しってる せかい
これでぜんぶだと かんがえている せかい
それは
ほ~んの いちぶ
ちっちゃいちっちゃい 一部
それこそお話にならないくらいの
だからさ
いまいるせかいで うまくやっていけないひと
いじめられたり
さみしかったり
きゅうくつだったり
するひと
びょうきだったり
いらいらしたり
きらいだったり
するひともさ
ねえ
くりかえします
せかいは ひろいです
せかいは ひろいです
せかいは おおきいです
いろんなところ あります
いろんなひと います
だからさ
余計なお世話かもしれないけれど
たいへん差し出がましいのは 重々承知ですが
あきらめるのはまだはやいかもしれないしもうちょっとだけやってみるのはどんなもんでしょう
なんて
ぼくももうちょっとねばってみるので
なにしろ
こんなに こーんなに
おおきくて ひろい
せかいなのですから
ぜんぶ見るには
ぜんぶ知るには
時間が かかります
世界を永久に去ってしまうのは
いつだって できるのですから
いつだって
いつだって