変面参上!
この作品はシナリオです。読みにくいでしょうがよろしくお願いします。
○広隆寺、本殿前、夜
庫裏上空の大スクリーンに変面の顔が映る。
スピーカーからの声が響く。
(変面)「ワッ八ッハッハ!怪盗変面参上!お待たせしたな。
ワッハッハッハ!怪盗変面参上!ワッハッハッハ」
居眠りの警官、驚いて立ち上がる。
○同、山門前、夜
パトカーの二人、スピーカーの声に驚き飛び出す。
その隙に赤忍者がパトカーに何かを細工する。
○同、本殿、内、夜
眠りこけていた出羽、亀山、警官、目を覚ます。
(出羽)「ん?なんだ?」
(亀山)「ん?」
警官、立ち上がり入り口へ走る。
(警官)「あ、大変です!変面が現れました!」
(出羽、亀山)「なんだって!」
三人、入り口へ走る。
柱の影から原田、仏像を見ている。
○同、木蔭の拠点、夜
完全に目を覚ましスクリーンを見つめる
山本、木村、高田、愛、太一。
○同、本殿前、夜
スクリーンで変面がしゃべっている。
(変面)「さあ諸君。今はスクリーンだが、
このあとすぐに本物が現れるからお楽しみに。
まずは我らのすばらしい踊りを紹介しよう!
レッツゴー!変面ダンサーズ!」
画面で忍者のヒップポップダンスが始まる。
皆、ボーっと見とれている。
○同、本殿、内、夜
柱の影で像を見つめる原田。
突然、像が台座ごとガタンとゆれる。
ゆっくりと像が下降する。
完全に見えなくなって5秒後、ゆっくりと
『笑う人魚の像』が上がってくる。
(原田)「あわわわ?」
像の台座に『怪盗変面作』とある。
○同、本殿裏、夜
一瞬にしてパネルをたたみ像を乗せ、
土塀を開けて荷車を押し出す青忍者。
(忍者達)「エッサーホイサー。エッサーホイサー」
○同、本殿前、夜
皆、スクリーンに見とれている。
(変面)「それでは本物を紹介しよう!怪盗変面参上!」
画面が消え真っ暗。すぐにスポットライトが点き、
シルクハット、マントがなびくシルエットが画面に浮かび上がる。
(変面)「ワッハッハッハ。諸君、怪盗変面はここだ!
捕まえられるものなら捕まえてみたまえ!おっとその前に、
国宝と黄金の像は確かにいただいた。ワッハッハッハ!」
怪盗変面は本殿の屋根の上。
変面の体が宙に浮き、天空のワイヤーを
滑空して山門を超えて消える。
○同、山門前、夜
パトカーの後方で赤忍者が白馬を用意している。
変面が滑空してきて白馬にまたがる。
赤忍者と変面うなづきあう。
白馬が山門前を駆け抜けていく。
○同、本殿前、夜
皆、混乱している。
(出羽)「変面を捉えろ!いや、仏像が先だ!」
右往左往するみんなの姿。
結局、警官四人が追跡に向かう。
出羽と亀山、本殿に入る。
○同、山門前、夜
パトカーに乗り込む4人の警官。
何度やってもエンジンはかからない。
○同、本殿、内、夜
『笑う人魚の像』の前に呆然と立ち尽くす出羽と亀山。
同時に手帳を落とす二人の後ろ姿。
○東寺、五重塔、夜
白馬で駆け抜ける変面。
白馬止まり、前足を掲げていななく。
ステッキで天をさす変面。
(変面)「ワッハッハッハ!」
忍者達が荷車を猛スピードで押してくる。
(忍者達)「エッサーホイサー!エッサーホイサー!」
変面たち、夜の闇に消えていく。
つづく