エッサーホイサー
この作品はシナリオです。読みにくいでしょうがよろしくお願いします。
○広隆寺、土塀、内、夜
土塀の中。荷車の周りにパネルが立てられる。
三人の赤忍者、本殿の屋根伝いに竹竿と
映写機、スピーカーを運ぶ。
青忍者6人、手際よく猛スピードで穴を
掘り始める。場所は本殿の真裏である。
(忍者達)「エッサーホイサー。エッサーホイサー」
○同、土塀、夜
原田、土塀の上から内側に飛び降りる。
黒々として静か、何も見えない。
歩き出そうとしてパネルにぶつかる。
(原田)「いてっ!」
不審げに、両手で空中を触っている。
(原田)「あれっ、これは?」
風景と見事なまでに同化したパネル。
原田、木に登り中をのぞく。
目を丸くして驚く原田の顔。
○同、パネルの中、夜
ランタンの灯だけでがむしゃらに掘り進む青忍者6人。
(忍者達)「エッサーホイサー。エッサーホイサー」
だんだんと動作と掛け声が早くなる。
さらに狂おしく早くなって、
みるみる砂の山が高くなる。
○同、本殿の屋根の上、夜
赤忍者3人がいる。一人が竹竿を持ってスクリーンを
広げながら庫裏の屋根を伝い大木にわたる。
あと一人は映写機とスピーカーをセットする。
残る一人は竹竿スクリーンを持って屋根の上に立つ。
(忍者達)「エッサーホイサー。エッサーホイサー」
○京都府警本部、本部長室、内、夜
ソファーで眠る本部長。
○広隆寺、山門前、夜
パトカーで眠る二人の警官。
○同、本殿入り口、夜
さっきよりだらしなく眠る警官。
空中にスクリーンが見える。
○同、本殿、内、夜
さっきよりだらしなく眠りこけている
出羽と亀山と警官。
○同、木蔭の拠点、夜
愛と太一、木村と高田の膝の上で眠っている。
高田は山本に寄り添いながら眠っている。
○同、庫裏、内、夜
奥で住職がいびきをかいている。
土間にせむし男と赤忍者一人がいる。
赤忍者、たたんだマントの上に
シルクハットを乗せて両手で持っている。
(せむし男)「よしっ!」
赤忍者が衣装を差し出す。
せむし男がくるりと一回転すると、
シルクハット、白顔、口裂け、黒目がね。
マント姿の怪盗変面に変身している。
変面、ステッキを掲げ宙をにらみ、
(変面)「よーい!スタート!」
○同、本殿裏、夜
忍者達、荷車の木箱を降ろしている。
(忍者達)「エッサーホイサー。エッサーホイサー」
原田、木から飛び降りる。
○同、木蔭の拠点、夜
皆眠っている。
山本、ふと目を覚まして、正面を見て驚く。
つづく