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のびのび
遊びに来た野外で、魔王な女の子が言った。
「前にね、影の黒幕になれば遊びたい放題できるって話したよねー」
「しましたね」
執事な男の子が魔王の言葉を肯定する。
魔王はひとつうなずいた。
「考えてみるとね、今のままでも遊びたい放題してる気がする」
「……そうですね」
がっかりとしたものを口調ににじませながら執事は言った。
そこへメイドの少女がやってくる。
「どうしたのー、シャティちゃん」
「あ、あの、魔王様。あっちの木ってそのう、ゴムの木なんですよね」」
「そうだねー」
「で、でも、ゴムがなってません。き、季節はずれなんでしょうか……」
魔王は沈黙した。執事はもとからこの会話に入ってくる様子はない。
気を取り直して魔王は言った。
「あのね、シャティちゃん」
「は、はい」
「たぶんシャティちゃんが想像してるのは、びよんびよん伸びるゴムだと思うの。それは樹液を加工してできるから、直接ゴムが実ってるとかそういうことではないんだよー」
「あ……そ、そうだったんですか。樹液ってす、すごいんですね」
恥ずかしそうにシャティが縮こまった。
ゴムの話。




