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ひどい目

 魔王城の魔王の私室でちっちゃな魔王な女の子がひどくぐったりとしていた。

 ぐでーんとこたつの上に腕を伸ばしながら魔王は執事な男の子に言った。

「人間は自然現象とか病気の原因が分からなかった昔、いろんな災いを祟りと言って恐れたりしてたの」

「みたいですね」

 執事が相槌を打つ。

 魔王は言う。

「人が誰かのせいでひどい目に遭って恨みを残したまま死んでいき、そのあとすぐにその誰か達がとってもひどい目に遭うと、祟りだーって思う気持ちも分からないでもないけどー」

 魔王は言葉を続ける。

「建物を建てたりして霊を鎮めたりしたみたいだねー。そういう時ー。我が国もそういうことできないかなぁ」

「魔族の祟りは実際的に魔術の効果なので、建物を作っても意味ないと思いますよ。祟りを鎮めてきて魔王様が疲れ切っているのは分かりますけど……飲み物をどうぞ」

「ありがとー」

 こくこくと魔王は飲み物を飲む。

「みんな仲良しだから祟りなんてめったにないけど、人間と違って魔力が多いから大変だよねー。魔族の場合ー」

「できるだけ民のより良い暮らしを実現して、祟りなんて起きないようにするのが魔王様の仕事です」

「…………そうだねー。今日鎮めてきたのは、思い出したように再びやって来た昔の魔王の祟りだけど」

「……今の魔王様が祟りなんて起こさないように頑張るのがきっと僕の仕事です」

「おおー。頑張ってー」

雷が落ちたりとかの話。

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