表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/367

大事なもの

 魔王城の一室で魔王な女の子が土人形を作っていた。ある程度造形ができてから、うーんと悩んでその人形を眺める。

 執事な男の子は訊ねた。

「なにをしてるんですか?」

 その言葉に、魔王は率直に答えた。

「国宝を作りたいのー!」

「……国宝?」

 疑わしげな気持ちを隠さずに執事は聞き返した。

 魔王は可愛らしくうなずく。

「世界にはいろんな国宝があるでしょー。玉虫の羽をはった工芸品とか、天守閣とか、鏡とかー」

「はい」

「私もね、なにかそれっぽいものを作っておけば、いずれ国宝になるんじゃないかと思ってー」

 そんなことを言いつつ魔王は楽しげに土人形をいじっていく。それはどう見ても子供が夢中で工作遊びしているようにしか感じられないものだった。

 しばらく執事はその様子を眺めていたが、自分の仕事に戻る前に、魔王に一応言っておいた。

「どんなものを作ったとしても、少なくともこの国では魔王様の一声があればたちまち国宝になりますけどね」

 そんな言葉に、魔王は愕然として執事のほうを向いた。

 手元が狂ったのか、土人形の腕が落ちた。

玉虫の話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ