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あっちとこっち

 魔王城の一室で魔王な女の子が地図を眺めていた。

 執事な男の子へ向けてつぶやく。

「人間の国は国境で分かれているんだよ」

「その国境を越えて別の国に行くにはパスポートなどが必要、みたいな話をした気がしますね」

「なんか文化的だよね、国境って」

「……そうですか?」

 執事は不思議がった。

 魔王は地図を眺める。

「山とか川とか海とか、あるいは経緯線とかを基準に国境を定めているらしいの。それって、なんだか素敵だなーって」

「どうしてそう思うんです?」

「あっちに近づいたら人間は魔族に襲われちゃうぞー、みたいなあやふやな判断しかされてないもん。うちの国」

「まあ、人間の国々と戦ってますからね」

「魔族とか魔物は全部、私の支配下だしー」

「ですけど、町とかはちゃんと境界線をはっきりさせているでしょう。文化的ですよ」

「そうかなー。そうだね。うん、一部の魔物とかはだいたいあの辺に住んでるねぐらいの線引きしかされてないけど」

「たとえばどんな魔物ですか?」

「んー、ドラゴンとかー」

「きちんと線引きして被害が起きないようにしてほしい生物筆頭だと思いますよ、それ」

 執事が引きつったような表情をして、魔王な少女はあははーと朗らかに笑った。

境の話

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