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ロープ

 魔王城の魔王の私室で魔王な女の子がお届け物の縄をじっと見ていた。

 クリームスープを持ってきた執事な男の子に、魔王は問う。

「ココヤシとココナッツって……別物だったっけー?」

「ココヤシの実のことをココナッツって言うんじゃありませんでしたか?」

 執事も不思議そうに首を傾げる。

 魔王は、そっかー、と納得した。それからまた、じっと縄を見る。

 執事はこたつの上にクリームスープを置くと、その側にあるカップに目を向けた。

「素朴なカップですね。これが先ほどのお届け物の中身ですか?」

「うんー。ヤシの実の殻を使ったカップなの。私にプレゼントなんだってー」

 魔王は微笑んだ。国民からのプレゼントは素直にうれしい。

 のだけども。

「うーん。カップはいいんだけどー」

「どうしたんです?」

「この縄はいったいどうしたらいいのかなー」

「……えーと、よく分かりませんけど、もう用がないなら僕が処分しておきましょうか?」

「この縄もプレゼントなのー」

「え?」

「ヤシの実の繊維で作られた縄なんだよー。ヤシの実の殻の外側はたくさんの繊維で覆われているの。でも、こんなのプレゼントされてもなにに使えばー……?」

 魔王はふと、ぶんぶんと縄を振り回した。

 執事はじっとりとした視線で言った。

「今、ルリエラさんに馬を作ってもらおうと思ってますね?」

「ふふー」

ココヤシの話。

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