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草花
魔王城の一角で、花壇に咲いている忘れな草の花を見てメイドのシャティが、
「く、草……?」
と、困惑していた。どうやら持っている草のイメージと違っていたらしい。
まあそれはそれとして。
魔王な女の子がその様子を眺めながら言った。
「うーん」
「どうしたんですか、魔王様」
執事な男の子が問う。
魔王はまったく表情を変えないままどこかさびしげに言った。
「なにか花について話したいけど、まったく思いつかないのー」
「よく分かりませんけど……。どうして話したくなったんですか」
「そうしたらなんか女の子らしいかなーって」
「……そう、なんですかね」
魔王が急にそんなことを言い出した理由はやっぱり執事には分からなかったけれど。
執事は思い出しながら告げる。
「このあいだ、花かんむりを作って親衛隊にプレゼントしてたりしたじゃないですか。女の子らしいと思いますよ」
「そうかなー。えへへー」
花について話したいけど思いつかない話。




