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これで、さらに、もひとつおまけに

 魔王城の魔王の私室で、魔王な女の子が物憂げな様子で雑誌に書かれている小説を読んでいた。物語の世界に沈み込む穏やかな時間。

 しばらくして魔王は雑誌を机に置くと、小さく声を出した。

「幼馴染と結婚の約束、かー……」

 どこか遠くのほうをながめる魔王を、お菓子を皿の上に移していた執事な男の子は静かな眼差しで見つめた。

 一見すれば幼馴染みのことを懐かしんでいるように見えなくもないけれど、魔王はきっと自分にも幼馴染みが欲しかったなーとか思っていたりするに違いない。同年代の子供が村にいなかったとか言っていたし。

 それから日にちが経過して。

 魔王城の魔王の私室で、魔王な女の子が小説の文庫本を読んでいた。

 執事は問う。

「その小説、この前に雑誌で読んでいませんでしたっけ。買ったんですか?」

「ふふー。文庫版には雑誌と違って、書き下ろしの新作短編がついてるしー」

「ああ。そうなんですか……」

 なんとなく納得して執事はうなずいた。

 それからさらに日にちが経過して。

 魔王城の魔王の私室で、魔王な女の子が小説の文庫本を読んでいた。

 執事は問う。

「その小説、この前に文庫本で読んでいませんでしたっけ……。また買ったんですか?」

「新装版には新たに新作短編がついてくるからー」

「…………そんなのあるんですか」

小説を読む話。

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