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だから特訓だってするし

 魔王城の訓練場で魔王な女の子が、かいてもいない汗をぬぐった。

 四天王のひとり、カロンがぼこぼこにされて地面に倒れ伏していた。その場所から、魔王は小走りで執事な男の子に近づいてくる。

 執事は水を魔王に手渡した。

「お疲れ様です、魔王様」

「そんなに疲れてはないけどー」

 その言葉に執事はカロンに同情したくなったけれど、もともとカロンが戦いたがっているので意味のないことなのだろう。

 魔王は水を飲み、コップから口をはなして言った。

「あれだねー、ちょっとお出かけしてこようかなー」

「どこへですか?」

「ちょっといつものなにもない場所までー。ほら、さすがにここだと全力で戦えないしー。魔術とか全部使ってカロンくんと戦おうかなーって」

 全力で戦うまでもなくカロンはぼこぼこにされて倒れているわけだけれど。

「カロンさんのためですか?」

「ううんー。私も強くならないとだから」

「魔王様はどの魔族よりも強いと思いますけど……」

「でも、ほら、今後私より強くて邪悪な敵が現れないとも限らないしー」

 だから強くなることは、みんなを守る魔王としての義務なのだ。

強くならなきゃな話。

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