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咲くまで待たない
魔王城の一室で魔王な女の子が明るく言った。
「お花見に行きたいかー」
沈黙。
突然言われて黙ったままの執事な男の子に向かって、魔王が再度言う。
「お花見に行きたいかー」
「いえ、別に」
おー! みたいに返事して欲しかったのかなとか理解しつつ、執事は否定した。
魔王の表情があきらかにがっかりしたものになる。
「えー。お花見楽しいよー」
「お花見もいいですけど、もうちょっと特訓以外で魔王らしい仕事をしてくれませんか。というか、花は咲いてるんですか?」
執事の言葉に、まおうはこっくりとうなずく。
「咲かせてくれるの」
「ええと、咲いている、ではなく?」
「ルリエラちゃんがねー、咲かせてくれるって。だからお花見しよー」
「それってお花見として正しいんですか……? 無理やり咲かせて風情がありますか?」
「えー」
なんだかんだ言いながら結局みんなでお花見はした。
お花見した話。




