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魔王だし
魔王城の魔王の私室で魔王な女の子がこたつにぐでーっと突っ伏していた。
執事な男の子が冷たい飲み物を近くに置くけれどもまったく動こうとする気配がない。
「特訓をするとか言って出ていきましたけど、そんなに大変な特訓をしてきたんですか?」
「聞いたところによると、世の中には水の上を走るトカゲがいるとかー」
「はい」
「これは負けてられないなと思って、走っても迷惑にならなそうな場所でひたすら走ってきたのー」
「それだったら庭で走ればよかったんじゃ……ああいや、すいません」
「私が全力で走ったら大変なことになるからねー」
「魔王様ですからね……」
「うんー」
それからむくりと起きあがって、魔王が飲み物を飲む。
彼女はけろりとした表情をしていた。
「疲れていたんじゃ」
「一応全力で運動した後だし、そういうかっこだけでもしておかないとと思ってー」
魔王の体力ってすごいな、と執事は思った。
走る話。




