どう違うのか
魔王城の廊下を執事な男の子がせっせと掃き掃除していると、ばたばたと足音を立てて魔王な女の子が走ってきた。
その様子に目を丸くしている執事に向かって、魔王は言った。
「未来からきた気がする魔族を見つけたのー」
「未来から、きた?」
「うんー」
「それはこう、自称未来からきた、ということですか? なにか自慢しているとか」
「そうじゃなくてー」
「はい」
「占い師さんなんだけど」
「…………」
微妙そうな顔で執事が沈黙する。
魔王は占い師が未来からきたっぽいことを証明するためにさらに言葉を続けた。
「未来の出来事をたくさん知ってるしー」
「占いですよね」
「不測のはずの事態にも慌てないしー」
「占いですよね」
執事が言葉を繰り返す。
魔王は頬に指を当てて言った。
「それが占いとは限らないしー。本当に未来からきたのかもしれないよね」
「未来からきたとすると」
「うんー」
「未来の出来事に占いとして干渉している以上、その先の出来事は予測できなくなるはずでは? すでに未来が変わっているんですから」
「たとえば、出来事が起きるたびに過去に戻ってるとかー」
「けっこう近い未来からきてるんですね……」
結局、未来から来たのか本当に占いなのか、どちらと確信を持っては言えないけれど。
「占い師さん、よく占いあたるよねー」
「そうですね」
未来のことを知っている話。




