表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/367

ちっちゃくおおきく

 魔王城の一室で魔王な女の子が、大きなお皿と小さなお皿ののったこたつの前に立っていた。

 お皿にはそれぞれの大きさにみあったクッキーの欠片がのせられている。

 魔王な女の子は、むんー、となんとなくな掛け声を発して、大きくなったり小さくなったりしていた。

 頼まれて飲み物を持ってきた執事な男の子が、そんな魔王を見てきょとんとした。

「……また変身の魔術を使っているんですか? なんのためだかは分かりませんけど、そんなに使用していたらまた身体が痛くなりますよ」

「うんー。そういうことにならないように、もっと練習をしておこうと思ったのー」

「意外と、そういう練習には熱心ですよね。魔王様は」

「ふふー。そんなことで遊んでないでください、みたいに言わないんだねー」

「水が流れるのをただじぃっと見ていたり、小さな魔物に混じって棒倒しをしているよりはましなので」

「…………」

 魔王はなにも言わずに小さくなった。

 それから大きく声を出す。

「あとねー、気になることがあるのー」

「なんですか?」

「大きいとそれなりにたくさん食べないとお腹すくでしょー。ちっちゃくなるとね、少しのクッキーでもお腹いっぱいになるの」

「はい」

「ちっちゃくなった時、大きい時に食べたはずのたくさんのクッキーはどこにいったのかなーって」

「分かるような分からないような……」

「だから大きい時と小さい時で、食べくらべたり飲みくらべたりするのー」

「やっぱり遊んでいるだけなんじゃ……あと魔王様」

「なーにー」

「変身の魔術でどうして服まで一緒に大きくなったり小さくなったりしているかのほうが不思議なんですが」

「だって魔術だもんー」

「…………」

ちっちゃくなったり大きくなったりする話。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ