表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
147/367

期間限定

 お菓子屋の軒先の長椅子に座って、魔王な女の子が期間限定味の出たお菓子をおいしそうに食べていた。

 顔なじみの占い師と偶然出会って、彼女と一緒に食べているのだ。執事な男の子はなにもせずそばに立っていて、なぜだかあきれたような表情をしている。

 魔王は言った。

「個数限定と違って、ちゃんと買えるからうれしいねー」

「人気があると、売り切れるけど」

 占い師がお菓子を食べるのを中断して、言う。

 魔王はこくこくうなずいた。

「そうだよねー。いっそ、こういう商品は一度魔王に献上することみたいな法律を作ればいいのかなー」

 などと思ったのだが、魔王は執事の表情を見てやめることにした。

 気を取り直して魔王は言う。

「通常バージョンのお菓子もおいしいけど、こういう季節にちなんだ限定味も新鮮味があっておいしいよね。なくなっちゃうのが残念なくらいなの」

「知らない」

 そっけない占い師の言葉。

 魔王は首を傾げた。

「んー、どういうこと?」

「私が好きなのは、限定品」

「う、うん」

「通常の味は食べてないので、知らない」

「……えー!?」

 驚いている魔王の横で、占い師は顔に感情を浮かべぬまま、お菓子をまた食べ始めた。

占い師と限定品の話、後編。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ