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ちっちゃくサッカー
魔王城の訓練場に急きょ作られた特設サッカーコートで、ちっちゃな魔物たちがサッカーをしていた。親衛隊と呼ばれる魔物たちである。
ついさきほどまで魔王な女の子や執事な男の子、その他のルリエラに作られた魔物たちがサッカーをしていて、親衛隊のちっちゃな魔物たちは周囲でごろごろしながら選手を応援していた。
そして観戦しているうちにうらやましくなったらしく、魔王たちが試合を終えるとちっちゃな魔物たち同士でサッカーを始めたのだ。
執事が魔王に言った。
「そういえば、親衛隊って比較的、獣とか蛇とかそんな容姿の魔物が多いですよね。なぜですか?」
どうしてだっけ?
魔王はしばらく考え込んでいたが、ふと思い出した。ちっちゃな魔物の頭にぶつかったサッカーボールが、ころころと転がっていく。
「ゴブリン……」
「え?」
「とにかくゴブリン軍団になるのだけは避けよう、って思ってた記憶がー……」
「まだその気持ちが残ってたんですか。ずっと前にボードゲームしてた時の話じゃないですか」
執事がびっくりな表情をしていた。
親衛隊がサッカーする話。