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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

告白したら男の娘でした!?

作者: 桜川藍己

「す、好きです!」

少年はとある少女に告白した。

その少女は完全完璧だった。

少なくともその少年から見ればだが。

だから「ごめんなさい!」といわれたときも、ああ、やっぱりかと素直に思えることが出来たのだろう。

だか、その後の言葉に少年は人生が百八十度変わってしまうもどの影響を受けた。

「わ、私、じっ、実は、……男の子なの……だっ、だから、男の人は……ごっ、ごめんなさいっっ!」

少女(?)は逃げるように何処かへ去っていく。

──普通の人だったら引いてもう二度と近付かない位思っても不思議では無いだろう。

でも彼、高瀬遥は違った。

あの少女に近づきもう一度告白しようと……

心の中に深く、深く刻み込んだのだった。


彼は周りにばれないように少女の行動を観察する。

「ゆーりは性格がよくてしかも可愛いからね~」

「あはは。全然そんなことないよ~」

彼女はにこにこと上品に笑いながら他の少女達とお喋りをしている。

勿論どこからどう見ても男には見えない。

『…………断るための嘘だったのかな?』

────でも、でもあの恥ずかしそうな表情は嘘では無いと感じたんだ。

……今日もう一度会って話してみよう。

遥はどうやったら彼女と二人きりで話せるか緻密に計画を立てていった。

──放課後。部活に入っていない彼女はすぐに友達と帰る。

少年は一定の間を開けて彼女達を追いかけていく。

少年は陸上部に入っていたが、入部から一度も顔を出していない正真正銘の幽霊部員なのだ。

しばらく着いていくと、どんどん友達と別れていき彼女は一人になった。

「ね、ねぇっ!」

彼は少しの距離を全力で走りながら少女に向かって声をかけた。

「──ッッ!」

振り向いた後、彼女は目が出てくるのではないかというくらい見開らいた。

「────な、ななななに?」

「さっきの話なんだけど……」

「う、うん」

「ほ、本当に男の子なの?」

「………………」

彼の問いに少女はきっかり三十秒考える素振りを見せた後「つ、着いてきて?」と彼女の家の方に向かっていった。


「と、共働きで、えと、今日はどっちも帰ってこないから、え、遠慮しないで?」

いや、そんなしどろもどろになりながら言われたら不可能だと思う。

好きな人の家に二人きりである。

少年は心臓が人生で一番速く動いているように感じた。

「う、うん。じゃあ、お邪魔します……」

彼は彼女の案内で二階の自分の部屋と思われる場所に向かう。

「じゃあ……ここ、座って?」

…………彼女が指定した場所は、彼女の隣。

────つまりベットの上である。

「な、なな」

無垢(?)な少女はその気持ちを知らずにか、早くと催促するように首を傾げている。

「…………………………………あー」

良いんだよね?座った瞬間写真を撮られて、ばらまかされたくなかったら奴隷になれ!とか言われないよね?

……と、よく考えたらばらまかれた方がこっちが得するし、別に奴隷になっても良い。

「じゃ、じゃあ失礼いたします」

「う、うん」

何故か家に入るときよりも丁寧な言葉遣いをしながら座った。

「…………要するに私が男の子だっていう証拠が欲しいって事だよね?」

「うん」

「み、見せたげる…………ぜ、絶対誰にもいわないでね?」

「う、うん」

「じゃあ制服脱いで?」

「はっ??」

え?なに?そのまま縛られて鞭で叩かれたりするの?

ま、まあ、好きな人からだったら別にいいけど……

彼の気持ちを知ってか知らずか彼女は顔をピンク色に染めながらしどろもどろに説明を始めた。

「あ、いや、えーと……だって私がどうやって男の子なのバレないか知りたかったんでしょ?」

「へっ?」

え、なに?もしかして自分が女の子になったりするとか?

「いやいやいやいやいやいやいや!ちょっと待って落ち着いて!」

「…………?」

「いや可愛らしく首をかしげてるけど絶対分かってるでしょ!だから待ってメイクセット持ちながらこっちに迫ってこないで──ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ──ッッ!」

……と彼は言いながらも少女に馬乗りをされて何処か嬉しそうな顔をしているのだった。

「はいっ完成っ!」

──どれ程の時が経っただろうか?

太陽はもうとっくに沈み真っ暗になっていた。

顔のメイクだけじゃもの足りず、服や下着は勿論、ウィッグからネイルまで──頭の先から足の先まで全部何かしら弄られた。

「な、なんじゃこりゃああああああああああああああああああああああああッッ!」

彼女が持ってきた全身の写る鏡を見てつい叫んでしまった。

──まあそれはしょうがないと思う。

完璧に女の子の姿になっていたのだ。

ショートカットのさらさらとした黒い髪にメイクしていることをほぼ悟らせない自然にみえるメイクだ。

服は黒いワンピースに白いベルトとカーディガン羽織ったシンプルな格好だった。……何を入れたのか控え目な胸の膨らみがある。

「やっぱりかわいいっ!」

少女は今までの緊張した姿が嘘のように目を輝かせている。

その笑顔を見て遥は思う。

──その顔を見ていると、やってよかった~と思ってしまう僕はおかしいのかな?

「よしあとは声だね!ボイストレーニングだっ!今日の朝までにはキチンと女の子の声で喋れるようにするよ!」

「へ?……両親とかそろそろ帰ってくるんじゃ?」

「今日はどっちも帰ってこないよ?」

言わなかったっけ?とニッコリ笑う彼女に……なんかはめられたのかなと心配になる少年だった。


「じゃあ笛を吹くような感じで。あー。さんっはい!」

「あー」

彼は今物凄くドキドキしていた。

だって彼女は今可愛らしいパジャマを着ているのだもの……勿論遥の方もだが。

「違う違う。喉から無理に出さないで鼻から自然と出すような感じで!さんはいっ!」

「あー」

「そうそれ!」

パチンと指を鳴らしながら嬉しそうに言う少女……さっきからキャラが崩れているが良いのだろうか?

まあさっきのがおかしくて今が普通なのかもしれないが。

「次はそれを意識しながら、あいうえお。さんはいっ!」

「あいうえお」

「違う!いい?女の子っていうのは喉の下の方だけで話してるの。それに比べて男の子は上の方も下の方もそして胸からも声を出してる。だから喉の下だけ出すように意識して喋ってみて」

そのアドバイスを聞いて遥は何度かあ、あーと声を出してみる。

「あいうえお」

「よしっ!声だけは凄く良い!あとは高揚だけよ。男の子っていうのはねずっとおんなじトーンで喋ってるの。でも女の子は違う。ちょっとだけトーンが違うの。ほらやってみて?」

「あ(↑)い(↓)う(↑)え(↓)お(↑)」

「う~んあいうえおじゃあ難しいわね……そうだっ!じゃあ、えーそんなことないよ~って!さんはいっ!」

期待したような声を出しているが何を期待しているのだろう?

「えーそんなことないよ~」

「きゃー!それっ!それよそれ!もう完璧!もう一回!もう一回だけ言って?」

彼女は今まで見たこともない位興奮していた。

「…………この声ちょっと恥ずかしくないかな」

「かわゆい……その鼻にかかったロリ声」

……ロリ声?本当に?

「……私の前ではこの声で話して?」

「…………別にいいけど……本当に女の子の声が出てるの?」

返事変わりに返ってきたのはイヤホンだった。

見るとボイスレコーダーに繋がっている。

『…………この声ちょっと恥ずかしくないかな?』

再生ボタンが押されるとこんな声が聴こえてきた。

…………確かに僕が言った言葉だけど…………

「誰の声?」

「勿論遥、貴女の声よ」

「本当に……?」

確かにその声は鼻にかかったような可愛い声だった。

まさか自分の声だとは思えない。

「ねぇ、ぼ、ボイストレーニングも終わった訳だし、私達二人でお風呂に入らない?」

「え?でも……」

突然提案してきたのは自分では絶対に耐えられない様な事だった。「大丈夫!メイクも水がかかった位じゃ落ちないような高級品だし、ウィッグも洗わなければ濡れても大丈夫だから!」

「ちょっと待って、僕は由梨に告白したんだよ?好きなんだよ?絶対駄目だよ!」

……というか絶対無理!……そ、創造しただけで……って、あれ?ちょっとしてみたいかも……?

「ん~じゃあ分かった。両親ってどうしてる?」

「……へ?二人とも出稼ぎに行ってるけど?」

「じゃあ面倒くさい事はしなくて良いわね。明日から男の子の高瀬遥は何処かに転校して、その一週間後から女の子の高瀬遥……じゃちょっと不自然よね……そうね。桜木楓が転校してくるの。それで、誰か男の子から告白されるように為ったら私と付き合ってあげるってことで……どう?」

「どうって……」

勿論嫌に決まってる。

「ということでちょっとここで待ってて!」

彼女はなにも聞かずに外へ飛び出して行ってしまった。


「ということで手続き終わって来たよ~!」

「手続きって?」

体感で三十分から一時間ほどでは由梨は帰ってきた。

「勿論、高瀬遥君の転校だよ?」

…………そうえば今何時なんだろう?市役所空いているのだろうか?…………というかそもそもどうやって手続きを終わらしたの?判子ないと出来るわけ無いじゃん!

「ということで一週間後から一緒に頑張ろうね楓!」

色々聞きたいことや問い詰めたいこと等いっぱいある。

──でも、遥もとい楓は彼女の気持ちを理解出来た。いや、出来てしまったのだ。

孤独だったのだろう。寂しかったのだろう。誰か理解してくれる人が欲しかったのだろう。

そんな気持ちを知ってしまったら絶対に断れない。

断れるわけがない。

「うんっ!一緒に頑張ろうねっ」

「可愛い~っ!」

楓にいきなり由梨はぎゅーっと抱きついてきた。

それだけで遥という存在が無くなったこととか全部許してしまっても良いと楓は思った。

余談だが由梨の胸は全く無かったから本当に男の子みたいだ。

さて──一週間後から本当に忙しくなりそうだ。

この量だけで六時間も掛かってしまいました。

あと二時間どうにかして縮めたいです……

あと読み返してないのでちょっと変なとこがあるかもです。

新酒呑童子の野望 今酒呑童子が気絶しています。

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