娘の為にパパは頑張る!
家に帰って事情を話したら、両親に褒められた。「子供を世話するなんて、無責任な事を言うんじゃありません」とか言われると思ったのに、家の親と来たら……
「娘が欲しかったのよね。モモちゃん、これからは家族よ。さぁ、マーニャママって呼んでみて。」
「まーにゃまま。ぐすっ……まま。」
母ちゃんが手を広げ、床に膝立ちをして待っていると、モモはその胸の中に飛び込んでいった。家族と言う事すらモモは知らなかったし、理解していなかった。
有り得ないほど酷い話だ。
「ふはぁ~~、いいのよ。よしよし、エレンでかした!」
母ちゃんは喜んでいるし、親父も微笑んで?って、何だよ親父……
「おいっ、エレン。ちょっとこっちに来い。『なぁ、相談なんだけどよ。その……アイナさんな、もう一体作れないか? おまっ、あんな爆乳っ娘、一人だけでズルいだろ。なっ? 親孝行だと思ってな?』」
「貴方~♪ こっちにいらっしゃい。殴ってあげるから。」
「お母様! ケンカはいけませんわ!」
「ふふふ、アイナさん。これは躾よ。貴方も覚えておきなさい。男の下半身は別の生き物だから。」
「分かりましたわ、お母様。」
親父が襟を掴まれて、奥の部屋にズルズルと引きづられて行った。
あばよ、親父……達者でな。
さて、俺は娘のララにプレゼントをしてあげる。と言うのも。モモの怪我は酷いし、この世界では力のない奴は淘汰される。だから、俺のしてやれる事をする。
まずは俺の装備品を2つほど、ララの持ち物に変更する。
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【製作者】⇒マーク・エレン
【所有者】⇒マーク・モモ
【分類】⇒アクセサリー⇒プレートタグ×3+ネックレス
【材質】⇒鉄
【防御力】⇒10
【入力文字 1】⇒自然回復 4/4文字
【入力文字 2】⇒異常回復 4/4文字
【入力文字 3】⇒剣術極大 4/4文字
【総合評価】⇒Sランク
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【製作者】⇒マーク・エレン
【所有者】⇒マーク・モモ
【分類】⇒短剣
【材質】⇒鉄
【攻撃力】⇒10+1000
【入力文字】⇒【斬増極大】 4/4文字
【総合評価】⇒Aランク
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「さぁ、モモ。コレはモモの装備品だ。自分を襲う悪い奴はコレで倒せるから怖くないぞ。だけど、お父さんの武器は威力が有りすぎるから、手加減するようにな。」
「エレンぱぱ、その……ありがとう。大好き♪」
トコトコとやって来て、俺の胸に顔を預けて蕩けている娘。ぐっは~~~、あかん! この子は嫁にやらん! 全国のお父さんの気持ちを理解しちゃったよ俺。
「よしよ~~し。そのネックレスは常につけとくようにな。怪我もそれで自然回復するからな。他にして欲しいことがあれば言ってごらん。お父さんはオリジナル言語を使ってモモの願いを叶える装備を作れるからな。」
「ぱぱ……ううん、いいの。ぱぱとアイナままやマーニャままやドレンぱぱがいればしあわせ。」
遠慮なんて水臭いなもう。流石は俺の娘。
「遠慮はいらないよ。言ってごらん。」
「……ホントにいいの? ぱぱをこまらせちゃうよ……」
おどおどして遠慮をしている。そんな娘が可愛くてむぎゅ~と抱きしめる。
「モモちゃん。パパは世界一よ。大丈夫。さぁ、言ってみなさい。」
「……おとなになってぱぱのお嫁さんになりたいの! ダメ? ぱぱ…」
あーーーあかん、俺のハートにレールガン撃たれたよ。やってやりましょうとも!
「ありがとうモモ。でも、そうだな~……10年後に気持ちが変わらなければいいよ。」
「約束だよぱぱ!大好き。」
(あらら、旦那様は軽く約束してしまいましたが、…………モモちゃんは本気ですわよ。ふふふ。しーらないっと。)
プレートをタグを追加して書き込む。【桃大人化】【武術極大】【身体強化】。この3つを加えて俺はモモにネックレスをかけ直す。
あっ、ビリビリと服が破れ、あられもない姿のお姉さんが目の前に!
そして、タイミングが悪い時に……
「エレンお邪魔するよ。帰って来たんだってぇぇ!?」
「きゃ~~~~! エレンの変態! あんた、なんの冒険に行って来たの!?最低!」
「フゲブッ!」
ばちこーんと平手を一発喰らい。アイナとモモがキレたので急いで止めた。事情を説明し、落ち着かせるのにえらい苦労した……
「凄いよエレン!! ねぇ、そのタグでさ、ふふふ。僕らも少し大人になって酒場に行ってみない?」
「おまっ!? あ~~~お前ってば優等生なのに、たまに凄いこと言うよな……」
「パパ! モモもお酒飲みたい!」
「面白そうじゃない。まさか二人だけで行かないわよね?」
「決まりですね。」
と言うわけで……【大人化】【悪酔回復】【武術極大】【酒飲美味】の4つを人数分作り、俺達は大人デビューをする為、ふふふ、少し悪い大人? になって夜の酒場へと、こっそり駆り出した。