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心を込めて打つ武器

「でっ、出来たーーー!」


 一本の短剣が目映い光を放っている。報酬で手にいれた最高の材料で打った渾身の力作。それ故に俺は畏怖した。


□■□■□■□■□


【製作者】⇒マーク・エレン

【所有者】⇒マーク・エレン

【分類】⇒短剣⇒ショートソード

【材質】⇒ヒヒイロカネ

【攻撃力】⇒20000

【入力文字 1】⇒全属性斬撃波無限撃剣技極大斬威力極大 18/18文字


【総合評価】⇒SSSランク


□■□■□■□■□


 試し斬りに都の外に出て一振り。


 三日月型の各属性の斬撃が何の消費も無く次々と打ち出せる。



「危険だ……」


 キチガイに刃物。真っ先にその言葉が浮かんだ。武器とは何を言ったところで命を奪う道具。強い武具を作ると言うことは使い手を選ばなくてはいけない物。


 ここにいたって俺は気づいた。ランキング300位? 


 いやいや……そんなものより大事なもんがあるだろ。


 だから打ち直す。


 材料は鉄。


 入れる文字は四文字。


□■□■□■□■□


【製作者】⇒マーク・エレン

【所有者】⇒マーク・エレン

【分類】⇒短剣⇒ショートソード

【材質】⇒鉄

【攻撃力】⇒10

【入力文字】⇒【武器心通】 4/4文字

【総合評価】⇒Aランク


□■□■□■□■□



 親父にこの短剣を見せたら笑われた。


 けど……


「もう少し子供でいてくれよ。エレン。教えることが無くなるじゃねぇか」


 乱暴に頭をくしゃくしゃに撫でる親父。その手にこもった熱を俺は感じる。何万もの鉄を打ち続けて来た男の手。永久に取れない鍛冶師が持つ手のひらの熱。


 この温もりを感じて俺は確信した。俺の目指す武器と言うもの。


 品評会にはこの短剣を出す。その結果は……使い手に委ねるぜ!



 

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