心を込めて打つ武器
「でっ、出来たーーー!」
一本の短剣が目映い光を放っている。報酬で手にいれた最高の材料で打った渾身の力作。それ故に俺は畏怖した。
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【製作者】⇒マーク・エレン
【所有者】⇒マーク・エレン
【分類】⇒短剣⇒ショートソード
【材質】⇒ヒヒイロカネ
【攻撃力】⇒20000
【入力文字 1】⇒全属性斬撃波無限撃剣技極大斬威力極大 18/18文字
【総合評価】⇒SSSランク
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試し斬りに都の外に出て一振り。
三日月型の各属性の斬撃が何の消費も無く次々と打ち出せる。
「危険だ……」
キチガイに刃物。真っ先にその言葉が浮かんだ。武器とは何を言ったところで命を奪う道具。強い武具を作ると言うことは使い手を選ばなくてはいけない物。
ここにいたって俺は気づいた。ランキング300位?
いやいや……そんなものより大事なもんがあるだろ。
だから打ち直す。
材料は鉄。
入れる文字は四文字。
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【製作者】⇒マーク・エレン
【所有者】⇒マーク・エレン
【分類】⇒短剣⇒ショートソード
【材質】⇒鉄
【攻撃力】⇒10
【入力文字】⇒【武器心通】 4/4文字
【総合評価】⇒Aランク
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親父にこの短剣を見せたら笑われた。
けど……
「もう少し子供でいてくれよ。エレン。教えることが無くなるじゃねぇか」
乱暴に頭をくしゃくしゃに撫でる親父。その手にこもった熱を俺は感じる。何万もの鉄を打ち続けて来た男の手。永久に取れない鍛冶師が持つ手のひらの熱。
この温もりを感じて俺は確信した。俺の目指す武器と言うもの。
品評会にはこの短剣を出す。その結果は……使い手に委ねるぜ!




