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2キャラ目、地理の勉強

邪剣がスネたようです。


とりあえず、落ち着いて三行で考えてみよう。


邪剣に

邪剣たらし

って言われた




(もうっ!マスターのくせに鈍感系を気取りおって!!我の扱いが雑だぞ!ひどいぞっ!いつからこんなにひどい扱い………いや、最初からであったか…)


邪剣が鈍感系とか言い出しちゃったよ!?

マジで何食べた!!?

ハイ、おれの魂でした!!!

っていうか鈍感もなにも、だって邪剣だぞ?

邪剣がメインヒロインとかヤバイだろ。

たしかに邪剣は可愛い。

たまにグッとくるポイントを抑えてくるときがある。

それは認めよう。

でもな?

よく考えてみてほしいんだ。


声だけじゃん!!?

声っていうか、思念っていうかそんな存在じゃん!!?

人型じゃないじゃん!!?

ただの剣じゃん!!

剣プラスなんか出てくる肉?じゃん!!!

邪剣じゃん!!!

邪剣じゃけんッ!!!

メインヒロインなのにただの剣とかダメだろ!!?

視覚的にダメだろ!!

せめて幻影的ななにかで女の子の姿が見えるとかならまだいいよ!?

精霊的なピクシー的なセクシー的な女の子が見えるならいいんだよ!!?

それすら無いじゃん!!!

ひたすら剣じゃん!!

剣じゃけんッ!!!


そういうことだから、邪剣、すまんな!

メインヒロインの座は諦めろ!


(べっ、別にメインヒロインがどうとか、そういうアレではないぞ!?ホントだぞっ!?ただ、その、ほら、我を女にしたのは、マスターであろ?だからもうちょっと優しくしてくれても…)


おうぅっ!!!?

女にしたッ!!!!?

えっ!!?

アッ、アレな、それ設定な!!?

女の子設定にしたって話なッ!!?


(設定だとか言って!マスターは、アナタはそうやって言い逃れするような男なのか?そうやって、今まで何本もの邪剣をたらし込んできたのだな?)


邪剣何本もねぇから!!?

おまえ以外に邪剣とか知らねぇからッ!!?


(えっ………じゃあ…我が、その、マスターの、初めての邪剣……なの?)


おいやめろ。

なんだよ初めての邪剣て。

なんだそのテンション。

マジで誤作動すぎるだろ。


(クフフッ……マスターの初めて…えと、じゃあ我もアナタの初めてだから、ちゃんと責任取るから、マスターも、我を女にしたんだから、責任取ってよね?)


邪剣がマジ邪剣!!

どこでそんなの覚えた!?

ちくしょう!!

あざといけど可愛い!!!

くっ、悔しい!!


(マスターに褒められた!!クフフッ!可愛いって褒められたーっ!)


どうしてこうなった?

なんか疲れるわ。

いや、おれのせいか。

おれが邪剣を女の子設定にしたからか……。

おれって鈍感系なの?

いやいや、邪剣がマジでヒロイン候補とか、思わなくない?

邪剣ルートあるとか普通思わなくない?

ハーレムルートはありますか?

攻略ウィキ欲しいです。


あー。

邪剣、メインヒロインはダメだけど、おまえがおれの愛剣であることには変わりない。

そんな感じで、責任とやらは許してくれ。


(愛剣!!うんっ!!!)


邪剣がめっちゃ身体を侵食してくる件。

ほら、抱きつく代わりに身体を侵食するヒロインって、どうなの?

女の子と密着どころじゃないのに、なぜか嬉しくないです!!



ふー。

そろそろ気を取り直して、目的地の確認をしよう。

歴史の次は地理か。

社会科ですね。

邪剣はナーン森林を知らないみたいだし、ひとまずはバルゴンディア王国に向かおう。


邪剣、地図とか描ける?

っていうか、地理とか把握してるのか?


(愛剣…クフフッ………ハッ!う、うむ、「六元分割」のせいで、あまり正確にはわからないのだが…)


邪剣はそう言いつつ、剣先で地面にガリガリと地図らしきものを描き始める。


(かなり大雑把だが、大陸が一つになって、六方向に六元が分割された世界を表してみた)


それは、横に寝かせた六角形だった。

上下が辺で、左右に角がある。

横幅が少しだけ広いようだ。


(実際の正しい形はわからん。我も封印されてしまったし、六元がそれぞれ寄せ集められた土地、それを踏破できる者など限られているだろう)


(それに邪神様は地理などあまり考えない方であったからな、だから我はもともとの知識も乏しいのだ。邪神様、地形とかすぐ破壊しちゃうタイプだし)


すぐ地形壊しちゃうタイプってなんだよ。

でもわかるわ、あの邪神って、そういうタイプだわ。

うっ、邪神の思い出したくないアレが……ッ!!


(それで、この辺りが木霊が寄せ集められた土地で、樹木が生い茂り、広大な樹海が続いているようだ)


邪剣が六角形の左上の角に印をつけて、説明を始めた。


(バルゴンディアの付近が木霊の土地になったと当時の噂で聞いたから、この角の近くの、ここがバルゴンディア王国、だな)


邪剣は、六角形の中心と左上の角との間に、小さな正方形を描いた。

これがバルゴンディア王国の場所、という意味らしい。


(もちろん実際の国境や大きさなど知らんぞ?「中つ国」なのに、「均衡」が大陸をくっつけたせいでだいぶ端に寄ったのだ)


たしかに、六角形の中心よりも、左上の角のほうにけっこう寄っている。

本来ならこの位置が、ある一つの大陸の中心だった、ってことか。

でも全部の大陸をくっつけちゃったから、もう中心じゃなくなったわけね。

「均衡」を司る神、偏屈女神さん、だっけ?

やらかしてるなぁ……。


(それでも、人間たちの中には意外と「六元分割」を歓迎している者もいたのだぞ)


あぁ、まぁ、交易のときに海を渡る必要が無くなったのはいいかもしれないけど。

でも大混乱があっただろうことは想像に難くないな。


(我が封印されてからもうかなりの時が流れたようだし、混乱は既に無いであろう。海のことよりも、それぞれの極地に六元が集中したことが大きいのだ)


そうなの?

それは厄介事な気がするけど、人間にとってメリットがあったのか?


(極地以外は、かなり広大で穏やかな平地になったからな。もちろんそれでも世界の半分ほどの六元が混在しているし、人間たちにとっては、程良く住みやすい環境になったのだ)


へぇー、なるほど。

たしかに、国が栄えるには農地にできる平野部が必要だもんな。

険しい土地が大陸の端に追いやられて、使える国土が増えた、ってことか。

六元が混在してる、っていまいちピンとこないけど、たぶん、森とか山とか川もちゃんとそれなりにある、って感じかね。


(その分、国同士の争いにも少なくない影響があったようだがな)


あー、そうか。

険しい土地が少なくなれば、行軍がだいぶ楽になる。

軍勢並べての平地戦が多そうだ。

天険の要害が無いと、単純な国力勝負になりかねないだろう。

小国にはきついな、むしろその、六元の極地、とやらに近い方が存続できるんじゃないかな。


(少し話が逸れてしまったか。とにかく、この左上の角が木霊の土地、その右下にバルゴンディア王国がある、ここまでは良いか?)


おう、話を戻すか。

たぶん、ナーン森林の場所がなんとなくわかったぞ。

樹木が生い茂る、木霊の土地。

おれ、その場所知ってたわ。

霧深いナーン森林の奥に、突然のジャングルがあった。

っていうか、アレは樹木が生い茂るとかいうレベルじゃないぞ?

木とか草とかマジ巨大だったし。


(マスター、だから天変地異だと言ったであろう?)


偏屈女神さん、やらかしてるなぁ……。


(そして、次は現在地だ。マスター、今朝に見た河を覚えているな?)


あぁ、もちろん。

あの向こうに砂漠があった。

それがヒントだろう?


(うむ、あの向こうは、土魂が寄せ集められた、岩山と砂の土地なのだ)


邪剣はそう言って、六角形の左下の角に印を付ける。


(そして、河のこちら側、マスターが今いるのは、水精が寄せ集められた、河川と海の土地だ)


今度は、六角形の左中央の角に印を付けた。

その後、左中央の角と、左下の角とを結ぶ辺を垂直に二等分するように、線を引いた。


(この境界線が、今朝に見たあの河なのだ。つまり、我らの現在地は、水精の土地と土魂の土地の境目、というわけだ)


邪剣は、その線の中ごろに、バツ印を付ける。

これが現在地か。


なるほど、横に寝かせた六角形の、左半分を説明してもらったわけだ。

左上の角が、木霊の土地。

左中央の角が、水精の土地。

左下の角が、土魂の土地。


現在地は、左中央の角と、左下の角との間の境界線上。

目的地は、左上の角の、少し右下。

これ、けっこう近いかも。

地図のはじっこからはじっことかじゃなくて良かったわー。


(マスター、これでわかったか?)


ありがとう邪剣!!

おかげでようやくこの世界の基礎知識を手に入れたよ!!


(クフフッ、マスターにありがとう言われたーっ!)


ついでに、右半分も教えてくれるか?


(もちろんいいぞっ!我はもっと褒められたいのだぞ!!)


(ではこの右上からいくぞ?ここは、風気が寄せ集められた、崖と谷の土地だ)


なにそれコワイ。

崖と谷?

崖と谷の○○シカ?

風が強くて地形が削れてるってことか?


(そして右中央は、火因が寄せ集められた、噴火と灼熱の土地だ)


だからコワイって!

噴火って、火山だよな?

地面がやたら火を噴いてるとかじゃないよね?

灼熱って気温何度だよ、常夏くらいで勘弁してくれよ。


(最後に右下、ここは、雷子が寄せ集められた、高地と雷撃の土地だ)


待って。

片方おかしい。

片方が普通な分、もう片方の異常さが際立ってる。

いや、高地もダメか、雷撃をより近くの高いところで味わってね、って意味だろ?


邪剣、右半分がおかしい。

土地が完全に殺す気で来てるよね?

絶対に行きたくないんだけど。


(だって、風気、火因、雷子は、死属の三元で、つまり死三元の土地だからな)


うん、そういや、そんな説明してくれたね。

死属の土地とか、物騒すぎるだろ。

絶対に行かないわ。

決めました。

そんなところ、絶対に行かない。

確実に心折られるポイントじゃん。


(ちなみに、雷子の土地はもともと別の大陸で、「六元分割」以前から、雷子が寄せ集められている土地だったのだ)


ふーん。

行かないけどね。

なんでそんな土地だったの?

行かないけど。


(もともと、「魔導」を司る神を奉る、魔導の都があったのだ)


行くわ。

絶対に行くわ。

なにそれ!?

「魔導」を司る神ッ!!?

魔導の都だとうッ!!?

オイオイオイッ!!!

そうだ、そうだよッ!!!

せっかくの異世界だよッ!!?

魔法じゃん!!!

剣と魔法のファンタジーじゃん!!!

うわマジか魔法きたか!!

お決まりの無詠唱ッ!?

底無しのMPッ!!?

オリジナル魔法開発とかッ!!?

おれも魔法系チートで無双できるんですかッ!!?


(……………残念ながら)


残念なのオオォォォーーーッ!!!!??

ウソだと言ってよォォーーッ!!!!!

なんでッ!!!?

おれだって魔法使いになりたいよッ!!!

童貞的な意味じゃない魔法使いになりたいよッ!!!!

ぼくと契約して魔法使いにしてよッ!!!?

こんな異世界ってあるのかいッ!!?

ひどすぎませんか!!?


(マスター、涙を拭いてくれ。どうやら、「魔導」の神は既に死んでしまったようなのだ。魔法を制御する神がいなければ、バローグの理に自分で働きかける以外に、魔法を使う方法は存在しない)


つまりどういうことなんです!!?


(バローグの理に近付く方法を自力で探究できるほどの尋常ではない魔法の才能か、あるいは神性を消費しなければ、魔法を使うことはできない)


意味わかんない!!!

マジ意味わかんないからッ!!!


(マスター、神性持ってる?)


知らない!!

そんなの持ってない!!!


(マスター、才能持ってる?)


知らない!!

持ってるよきっと!!!


(………持ってるといいね、マスター)


優しくするなよう!!!

ちっくしょおおおぉぉーーーーッ!!!!!













無かった。

この世界に魔法は無かった。

最初から無かった。

いいんだよ。

超物理攻撃すればいいんだよ。

「レベルを上げて物理で殴ればいい」んだよ。

もうおしまい。

この話はおしまいね。


そういうことだから、邪剣、魔法の話はするなよ?

絶対するなよ?


(大丈夫、マスター、我はアナタの味方だぞ)


優しさがしみるね!

それで、もう一つ教えてほしいんだが、ここからバルゴンディア王国まで、歩いて何日くらいかかる?


(我もそこまで詳しくはわからないのだが。うーむ。おそらくは、普通の人間なら少なくとも90日くらいはかかると思う)


普通の人間なら、だな?


(うむ、マスターと我なら、大幅に短縮できるであろう。食事も睡眠も、休憩すら不要だからな)


よし、それなら早速行くか。


(どこまでもついていくぞ、マスター)


えーと、普通の人間が時速5キロで歩くとして、日の出から日没で休憩取りつつ、1日に10時間?

1日で50キロ進むと、90日で4500キロか?

これを30日で進むなら、1日で150キロ?

こんな計算で合ってるか?

おれって本気で走ると時速何キロくらい出せるのかな?

んー、参ったな、おれもラノベみたいに、異世界に備えて知識を蓄えておけばよかった。

徒歩で旅とかしたことないし。

まぁいいや、とりあえず突き進むだけだな!




おれたちの冒険は、これからだ!!





※距離や日数などは、修正する可能性あり。

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