1キャラ目、食べられない
ブックマーク登録3件目!!
本当に恐れ多いです!
読者様、いつもありがとうございます!
今さら気付いたのですが、自分が投稿し始めると、なかなか他の方々の作品を楽しむ暇がないですね。
チュートリアルは既に終わった。
現実の異世界ですから、満腹度機能が実装されております!
現実とかマジ超めんどいんですけど!
それで、何を食べたらいいの?
おれは骸骨軍団との戦闘で、森の全体を見た。
万眼の能力で見渡した「ナーン森林」の中には、動物が見当たらなかった。
なんでだろうね?
スケルトンキングが発生させてるこの霧とかのせい?
困ったので、とりあえず万眼先生を見つめてみた結果。
「食べられない」
無明さんが記憶を思い出しました!
『万眼』は食べられない、ということを思い出したぞー!
やったー!
ねぇ、こんな岩、誰が食べるの?
その情報、いらないよね?
それ以前に「槍の名は万眼、この相棒を決して手放してはならない」って記憶があったよね?
手放しちゃいけないんだから食べちゃダメだよね?
っていうか食べねぇよ!!
岩じゃん!!!
そんな残念な記憶思い出すくらいだったら、いっそ最初の2つしか記憶が無い設定の方がよかったわ!!
中二病くさくて最高だったわ!!!
どいつもこいつも残念なのか!?
ちょっとは万眼先生を見習えよ!!!
いや、まぁ、この記憶は無駄にならない。
大きな木の根元に座り込んで、もう一度『万眼』を見つめる。
無明さんの記憶が頭に浮かぶ。
「食べられない」
うん、わかった。
食べようという意思をもって見つめてみればいいんだな。
試しに、転がっていた石を見つめてみる。
「食べられない」
ですよね。
岩の槍と同じだよね。
石ころとか誰も食べないよね?
食料アイテムじゃなくて投擲アイテムだろ。
お次は、その辺の草だ。
適当にちぎりとって、見つめてみる。
「食べられる」
マジで?
その辺の草だよ?
食べられる種類の野草ってこと?
なんか見た目どうみてもただの雑草なんだけど。
もう一回確認な?
「食べられる」
マジかよ……。
じゃ、じゃあ食べるからな?
いいんだな?
おれは別に、無明さんの身体だからいいんだよ?
その記憶ホントに大丈夫?
…………よし。
意を決して食べてみる。
ムシャムシャ。
ムシャムシャムシャムシャ。
ムシャムシャムシャムシャムシャムシャ。
これ完全に雑草だわ。
その後、周りにあるものを、と言っても木と土と草と石しかないんだけど、片っ端から見つめてみた。
その結果、無明さん的には緑の草とか葉っぱは「食べられる」らしいことが判明した。
木の枝は「食べられない」けど、木の皮をめくったちょっと柔らかい部分とか、木の根っこの柔らかい部分とかは「食べられる」そうです。
シカなの?
冬越えに必死で食料を探すシカかなにかなの?
胃袋鍛えすぎじゃない?
それで、とりあえずの腹ごしらえができたので、無明さんを眠らせときました。
なんかこれ、子供の面倒見てるみたい。
いや、どっちかというと老人介護か?
おじいちゃん、晩葉っぱならさっき食べたでしょ、的なやつ。
うーむ、戦闘に関しては心配いらないんだけど、やっぱり頭がぶっ飛んじゃってるデメリットがきつい。
あと、この睡眠時間も暇できつい。
今は『万眼』の『視える』能力を使いこなす練習ができるけど、これ、2キャラ目以降はかなりきついんじゃないか?
早送りとか無いの?
現実ですかそうですか。
まぁいいや、今から2キャラ目のことを考えてても仕方ない。
無明さんの身体の為に、食べ物を探しつつ『視える』能力の訓練でもしよう。
こうして異世界1日目は、眠れないから終わった感じがしない内に、終わりました。
いやホント全然終わった気がしないけどね!
はい!
朝が来ました!
一晩中『視える』能力で「ナーン森林」の中を探ってみたけど、ろくに食料が見つかりません!
だからこの森の外に行かないとね!
幸いなことに、現在地は森の外周からそれほど遠くない。
いや、結構遠いんだけど、森林の奥に向かうのと比べたら遥かにマシだった。
昨日の夜に出現した霧の城は、空が白み始める時刻には消え失せていた。
その骸骨王の居城があった場所は、現在地よりもさらに森の奥に入っていったところにある。
そこから先には、まだまだ森林が広がっている。
おそらく、「ナーン森林」と呼ばれるのは、骨どもが闊歩する霧の森だけなのではないだろうか?
「ナーン森林」も異常だが、それよりも奥に広がっていた森は、さらに異常だった。
霧が立ち込める陰鬱な森が終わると、突然のジャングル。
しかもめっちゃ木がデカイ。
草もデカイ。
ちらっとトンボみたいなのが見えたんだけどデカイ。
白亜紀なの?
それともジュラ紀なの?
何シックパークなの?
まだ『視える』能力におれの精神がついていけないらしい。
この森の境目より先はまだ『視え』ない。
っていうか、このジャングルは見えなかったことにしたいです。
突然のジャングルは見なかったことにして、森の外に目を向けよう。
森の外は、広々とした平原だった。
川も見つけたし、ちゃんとした食料が見つかりそうだ。
そういうわけで、異世界2日目からは、こんな感じで過ごそうかと思う。
・無明さんが起きたら森の外を目指す。
・森の外で食料を探す。
・スタート地点の「ナーン森林」に帰る。
・戦闘訓練をする。
・無明さんは睡眠、おれは訓練と考察。
たぶんだけど、この森にいる限り、夜になったらまた骸骨軍団が襲ってくる気がする。
だからそれを利用して、しばらく訓練させてもらう予定だ。
万眼先生の自動攻撃・自動防御はくっそ強い。
だけど、それに頼らなくても戦えるのかまだわからないし、せっかく異世界に来たのに、なんか全然自分で戦ってる気がしないんだよね。
実際に無傷で倒せることがわかっている相手だから、プレイヤースキルを磨くいい機会なんじゃないだろうか。
今のまま万眼先生に頼りっぱなしなんて、完全にAUTOだと思うわけよ。
いやー!
久々にうまいこと言ってやったわー!!
チュートリアルは既に終わった。
………なんか、むなしいね。
きっと後悔するだろうと思いつつ、こんな終わり方にしてしまいました。
やってしまいました。




