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その後 やっぱり夢オチ?
その後 やっぱり夢オチ?
「・・・ちゃん・・・姉ちゃんってばぁ!」
「うっ・・・?」
あれ?
ゆっくりと目を開けると、サトシの顔。
ヒトミの弟のサトシが、ヒトミのぼんやりとした瞳に映りました。
「もぉー。ずうっと寝てたね、姉ちゃん」
そう?
と、ヒトミはとぼけました。
夢かぁ・・・。
「なんかねー変な夢見たの」
ヒトミは、座って寝ていたので首が痛くてさすりながら話しました。
「ふうーん…どんな夢だったの?」
と、帰り支度をしながら、サトシは言いました。
「わかんない。いろいろ…友達とか、出てきたの……」
もう、日は落ちかけています。
いつの間にか、夕方になっていました。
木々がオレンジ色にきれいに染まっています。
「変な夢だったけど、おもしろかったなぁ。今度、お話にしよっかな?」
「あー。僕のことも書いてね」
「どーしよっかなぁ!」
ヒトミとサトシの声がだんだん遠ざかっていきます。
これにて『不思議の国のヒトミ』、おっしまい。




