物語は突然に その2
母が出て行きました。
なにがあったかは今は知らないけど
それなりに母は母なりに
ツラい物を抱えてきたんだと思う。
私と父の収入で家族を養えるかな?
母の仕事の収入でほぼ生活してきたから。
母の仕事は末利久中学校の理事長。
私の叔母から代々受け継がれている仕事だ。
叔母の孫は私の母だけだったから
母が継ぐことになった。
おっとそんな事言ってる暇はない。
〆切に追われている。
ノートパソコンと睨めっこする日々は
もうとっくに慣れた。
かわいい妹と弟がいてくれれば…。
私は忙しくても幸せだった。
「で…パパはなんて?」
「俺が起きた時はもう…
会社行ってて…」
「じゃあ、私が連絡取ってみるよ」
きっとショックだろうな…。
とりあえず今はLINEでいいよね?
春姫『今朝、ママからの置手紙…
パパは読んだ?』
すぐ既読になった。今暇なんだろう。
パパ『うん。読んだ。
これから4人で頑張って
生活していこうよ。
春姫は一番お姉ちゃんだから
春人たちを守ってやって。
仕事は忙しいか?』
こんなに強がって…。
春姫『…。パパは本当にそれでいいの?』
パパ『え?大丈夫だよ。
ママは、今まで頑張ってた。
理事長の仕事だって今もやってる。
春姫がママになってやれよ。
それに、春那はまだ小さい…。
ママがいなくなったらショックで
寝込んじゃうかもよ?』
春姫『…じゃあ、忙しいから。』
パパ『うん、またね。
今日はパパも早く帰るよ』
ここで会話は切れた。
「パパなんて?」
「きっと辛いんじゃない?
4人で頑張ろうって…。
私がママになれって。」
「朝食どうしようか。
俺つくらねえし」
「私が作るよ。
家にあるもので何とか」
「春姉って料理得意っけ?」
「こう見えて元料理部!」
軽くトーストとオムレツでいいよね?
さっ作ろうかな。
「うあぁぁぁんっ
ひくっひくっ」
「春那!?
飯食いたいの??」
「ママぁぁっ」
「粉ミルク作れる?!
春人!」
「お湯で溶かすだけでしょ?」
「じゃあよろしくね。」
母乳があげられたら…
春那には母乳で育ってほしかった。
ピロリっ。
お湯が沸いた音だ。
「粉はサラサラのところを
つかってね。
だまだまはダメだよ。」
「うん。」
「んくっんくっ」
美味しそうに飲むなあ…。
「春姉、ご飯出来た?」
「うん、何とかできた。」
「めっちゃうまそうじゃん!」
「そう?ありがとう。
じゃあ私、仕事してくるから
食べててね」
「おっけぃ!」
ママはいまどこでなにをしているの?




