快晴
男の名前はリョウ。
小さい男の子はルーと名乗った。
「ルー、変わった名前だね」
「本当はルウってゆーんだ。瑠維だって変わった名前だね」
ルーはニコニコ笑いながら私の手を握った。
リョウとルーは親はいないらしい。
公園に置いてけぼりにされたルーをリョウが見つけ一緒にいるようになったらしい。
リョウは私より年上で19歳だった。
ルーはまだ六歳だ。
「ボロボロだけどアパート借りれたから明日は引越しだ。お前もくるだろ?」
リョウが私を見つめた。
「いく」
これが私を大きく変えた決心だったとおもう。この決心で私は成長し生きる希望を見つけ
そして。再びドン底に突き落とされることになるなんて、想像すらしてなかった。
引越しの日。天気は快晴。
昨日の大雨が嘘みたいだった。
リョウが借りてきたアパートは本当にボロボロで悪く言えば幽霊が出そうだ。
歩くたびに床が軋み、キッチンの隅はカビが生えている。
ただ部屋は充分すぎるほどひろかった。
リョウは柄にも合わずお花屋さんで働いていた。引越しの今日も仕事にいったため、私とルーは部屋を掃除することにした。
「瑠維〜、汚れてる〜」
ルーは嫌そうな顔でカビを見つめる。
「綺麗にしよ、リョウきっと喜ぶよ」
するとルーは嬉しそうにやる気を出すのであった。