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ヘタレ勇者の謝罪伝  作者: 木本京一
第一章 産まれて来てゴメンナサイ
5/5

第5話

エタってしまってゴメンナサイ。


書きかけの原稿から設定やプロット、その他資料データを入れていたHDDが壊れてしまって、サルベージに時間が掛かってしまいました。

※HDDのサルベージ・・・高いっす。


それと、リアルで時間も取れないので、

中々今後も更新がゆっくりなのは改善されないと思います。


ゆっくり執筆しようと思いますので、

生暖かい目で見守って頂けると幸いです。

「結局、こういう事かね?

貴方達はこの前の落雷で壊れてしまった教会の時計を直せないかと思った。

でも、自分たちにそんな事は出来ないから、職人に頼もうと思った。

が、そもそも自分達には、お金も無かった。

そこで、お金を稼ごうと思った。

ならば、ちょっと魔獣を狩って金稼ぎしてみようと思った。

それで協会に保護されている聖獣の狼、フェンリルの『黒姫』を連れ出し、彼女を使って街から一番近い魔獣の住処である北の森のカワードラビットを追いたて、若様の前に誘き立て狩ろうとした。

・・・で良いかな?」


疲れた顔で其々(それぞれ)の話を纏め確認をするガロン。


「だからさっきからそう言ってんじゃん・・・」


ガロンの言葉に少しイライラしながらミゲルが言う。


「わかりやすい解説、流石ですわ」


我関せずなアネモネ。


「はぁ~・・・」


鎧の隊長ガロンは目の前に居る子供達を見ながら深い溜息を吐いた。


今は黒姫の頭を挟んで右にミゲルが、左にアネモネが立っている。


ユートニスは・・・姉のスカートの後ろを掴んで、やはり立ったまま寝ている。


「まー、そこまでの話はわかった・・・が・・・なんでこうなった?」


ガロンは、高い街壁の側に半径20M程に広がっている肉塊や内臓で血溜まりとなった地面を指して言う。


カワードラビット自体は割とメジャーな魔獣だ。

RPGで言えば、最初に闘う程度の存在。


だが、それでも、普通カワードラビットの狩りは1日4~5匹が限界である。


それは、彼等が臆病だから。


臆病な彼らは、こちらが発見する前に少しでも敵の気配がすると、文字通り『脱兎の如く』逃げるのだ。


なので、主な狩猟方法は『罠狩り』である。。

結構な手間と時間が掛かる為、あまり高レベルな者は狙わない魔獣。


それに、如何に弱いと言えども、魔獣であるので、今回の様に『追い込み漁式』で数が居れば、普通の子供ではどうにか成るものでは無い。


「いやぁ~・・・だってユートだぜ?・・・こう、なんてゆ~か・・・ちゃちゃっと魔獣をやっちゃえばさぁ・・・すぐに金稼げると思ったんだけど~・・・」


悪びれずにあっけらかんとミゲルは言い放つ。


「まぁ~、途中からちょっと、最初に思ってたより数がちょお~っと多くなったかなぁ~とか思ったりはしたけどさぁ~・・・」


頭をポリポリと掻き呟くミゲル。


「ちょっとどころじゃねぇ~だろ!

こりゃ、この森に居たカワードラビットの殆んど全部じゃねーのか!?」


やっと吐く物が無くなり落ち着いた、まだ顔色の悪い若い方の鎧の男サンガが大声でミゲルに言う。

その声に驚いたのか、『ビクッ!』と身体を震わせてユートニスが起きる。


「ご、ゴメンナサイ!」


いきなり身体を90度直角に曲げて謝るユートニス。


その謝る姿に『カワイイ!』と目をハートにし、自らの手をその年齢に似合わない、けしからんロリ巨乳の前で合わせ身悶えするアネモネ。


「はぁ~・・・。若様は謝らなくて良いですから、話がややこしくなりますので、とりあえず黙ってて下さい。」


再度溜息をつきガロンが言うと、


「えっ、う、うん。」


(い、いいのかなぁ?)


と、ユートニスはオドオドしながら、再度アネモネの後ろに隠れスカートの裾を握った。


「うむ、そこまでの話はもう良いんだがな。怒る気にもなれし。」


(正直、もうどうでもいい・・・)


そんな事を思いながら、頭が痛いと眉間を指で抑えてガロンは、


「・・・だが、これはどうしたらいいと思うサンガ?これでは肉も皮も何も使えんのでは?」


部下である若い隊員サンガに聞く。


「確かにこれじゃなぁ~・・・コンドウの親父の所に持って・・・行けそうもねぇ~な・・・」


サンガは辺りの様子を見て確認する。


通常、魔獣を狩る理由は二種類ある。


一つ目は、魔獣の肉や皮、骨や角等、様々な生活道具や武具装備としての素材や食材としての需要。

主な魔獣狩りの目的はこちらだ。


特にカワードラビットは肉が柔らかく、このイースの街では老舗の『肉のコンドウ』で一番の名物『唐揚げ』の材料として高値で買い取って貰える。


二つ目の理由は、この世界の魔獣と呼ばれる生物には、大きさの大小は有れど、必ず体内に持っている魔水晶の需要。


そして今回の場合、この一つ目の需要に対して、結果は・・・


ミキサーにでも入れて挽いたかの様な細切れの肉片が、あちらこちらに散乱し、とてもでは無いが、売れる様な塊など残っていなかった。


「まあ無理ですわね~・・・」


アネモネはサンガの言葉を肯定する。


そこに、これは名案とばかりにミゲルが、


「あっ!で、でも、魔水晶が!」


と、言うが、その言葉に被せる様にガロンは、


「無理だな・・・貴方達、商人でも冒険者でも無いでしょう?」


と、否定する。


そう、魔水晶の換金は、ここイースの街や各地の都市では、税金が掛けられる為、商人ギルドか冒険者ギルドに所属している者にしか許されていないのだ。


無論、それらのギルドが無い辺境や、小さな村等では、物々交換や、売りたい者、買いたい者、それぞれ当事者同士直接売買する事もあるが、態々(わざわざ)税金逃れの為だけにその様な土地に換金しに行く者は居ない。


そして、自分が使う分を自分で狩る者や、極少量で有れば、実際は街であっても直接やり取りする者も居るには居る。


ただ、その場合、その魔水晶の質は保証がされないので、安く買い叩かれる。


「うっく・・・んじゃ、ガロン買い取ってよ!」


ミゲルの言葉に、


「それも無理だ。私の小遣いが幾らか知りたいか!?」


低い声で言うガロン。


カワードラビットから獲れる(みどり)の魔水晶は風の魔力を持っている。

大きさは一つ大体2cm位で魔水晶としては低級である。

売値は一つ当たり約10(ゴート)。(1G=日本円で100円)


今回のユートニスが潰した魔獣の数は、およそ100羽。


ギルド経由でなら1000Gだが、直接売買だと半値の500Gが良い所だろう。


警備隊の給金は決して悪くは無い。

悪くは無いが、多くも無い。


なので、


「あ~・・・知りたいか?知りたいんだな!・・・じゃ~教えてあげよう。

・・・この前嫁さんが4人目の子供授かってな~・・・。

で、私も、ま~子供自体は好きだから何人でもいいんだけどな。

そしたら、嫁さんが言う訳だよ『あんた、今度も小遣い半分ね』と満面の笑みでな・・・。

半分だぞ半分!毎回子供が出来る度に半分・・・。

そうそう、それで今幾らになったか教えてあげないとな。

いいか、聞いたら笑うぞ!

ハハハ、200Gだよ200G!!

部下からの飲みの誘いも毎回理由付けて断らなきゃいけないし、外食なんて滅多に出来ねぇ~・・・。そんな私にこの量の魔水晶を買い取れる訳が無いだろう?

ハハ、ハハハハハ・・・ハハ・・・グスッ・・・」


遠くを見つめながら、自分の妻の笑顔を思い出した様なガロンは強面の顔で泣いていた。


「あ~・・・なんか・・・」

「悪い事聞いてしまったようですわね」

「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ・・・」

「だ、だから隊長最近付き合い悪かったのかぁ~・・・」


子供3人と若者1人は、其々どうしていいものか思案に暮れた。


暫く哀愁漂う大人の事情と言う暗い空気が周囲に漂っていたが、気を取り直したガロンは、


「まあ、やっちゃったもんは仕方ないので、とりあえず魔水晶は拾って帰りましょう。」


と、復活した。


「サンガ!お前も若様達を手伝ってやれ」


「えぇ~・・・俺もっすかぁ~?」


「ああ、その方が早く終わる」


「マジっすかぁ~・・・ブツブツブツ・・・」


そして、この場の全員、黒姫も口で器用に血溜まりの中から一つづつ魔水晶を回収していると、


「あ、そうだ、最後にひとつ!」


ガロンは、今思い出したという様に言う。


「貴方達、確実にコンドウさんから恨まれますよ」


ニッコリ!


強面の顔が更に違う意味の恐さの『いい笑顔』で笑った。


そう、ユートニス達が狩ったカワードラビットはこの森の全て。


今有る在庫が無くなった『肉のコンドウ』では、暫く『唐揚げ』が出せなくなる。


((不味い、これは更に怒られる!))


アネモネとミゲルは、この後行われるであろう裁判(お説教)で死刑宣告(罰)が出される可能性が上がった事に気付き顔面蒼白と成る。


そんな中、


やはり一人、


ユートニスは・・・










魔水晶を拾う動作をしながら、










寝ていた。

更新を機に、今までの見直しも実施。

第1話~第4話の修正。

魔獣の名前をカワードラビット(Coward Rabbit)に、

ドロップは魔水晶に変更。


書いていた時は違和感無かったんですが、この度読み直してみると、

アレ?これって・・・某国産RPGそのままだなと今更気付いたです。

これはイカン。

※無意識で書いてました。


話の内容には変わりありません。

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